2007年
12月度
2007/12/24 秀逸 |
|
![]() |
さて、既に入手された方も多いかもしれないが、今日はこの話題。
写真は「AV REVIEW」誌の1月号の付録ベンチマークBD(ブルーレイ)ディスクである。内容は、テストパターンやデモ映像などが収録されている所謂チェックディスクだ。(但し、ベンチマークと言っても計れるわけではないが。) 雑誌の付録と言うと、どうしても値段やその形態から制約や限界があって、参考程度、場合によっては玩具、または、テストパターンと言うと殆ど参考にならないオマケ、という場合もあるが、このディスクは別格に秀逸。これが雑誌込みで1300円で買えるのだから素晴らしい。 収録されているデモ映像は30コマのビデオ映像(1080i)のみだが、画質は非常に高画質で優秀。また、厳密な測定に使えるわけではないが、ベンチマークと言う位だから、かなり過酷なテストパターン映像も収録されている。 映像収録形式は最近流行(?)のMPEG4 AVC H.264(以下AVC)でMPEG2-TSではない。 僕はまだ手持ちの市販BDは30枚位しか持っていないので何とも言えないが、個人的にはAVCの映像は何となく特有の癖がある場合があって、MPEG2-TSとは明らかに違う癖を感じるが、このソフトはその癖が殆ど感じられない。 余談だがその癖とは、極めて私的な素人感覚で何となく感じる点として、AVC収録は、最下位の黒のレベルがシーンにより変化する、黒は黒なのだが完全に沈まないというか深みのある真黒が表現出来ない。また、ブロックノイズは目立たないのでスッキリして良いが、動画の輪郭にどことなくモッサリとした違和感を感じる、という具合。 例えば、国内盤BD「オペラ座の怪人」はAVCだが、海外盤は違う。贅沢度からすると圧倒的に国内盤が有利のはずなんだが、何故か個人的には国内盤はBDもHD DVDもイマイチなんである。。 ただ、これもまだBDが出始めのソフトだし、AVCはエンコードもデコードも初期のものなので、今後はMPEG2-TSより良くなることはあるだろう。大体、新フォーマットの初めはそんなもんだ。(とやかく言うな、って?) さて、それはいいとして、この付録BD。これの面白いところは、僕が今まで言い続けて来た、30コマとディスプレイの「動きの応答性」に執拗に拘っている点だ。これは凄い。この固定画素全盛時代のご時世に、これを真っ向から突きつけている点は見上げたものがある。(笑) 殆ど嫌みじゃないか?と言うぐらい過酷なシーンが始めに出て来る。はっきり言って、現状の表示デバイスではかなり苦しいと思う。少なくとも、液晶では無理だろう。 何で?と思われるので解説しておくと、このBDは120HZ駆動の新型TV3機種と液晶PJのVW200とで観たが、結果は惨敗だった。 火の玉現象(そんな言葉があるのか?)、酷い場合は動きボケどころか、映像そのものが破綻して、シャツのストライプは乾いていない絵の具を触ってイタズラしたような滲み(失礼)が出ている。個人的にはまだこのレベルでは落第。VW200は液晶デバイスとしては、かなりがんばっていたが、それでもとてもCRTの比ではない。 このBDを大昔(笑)のCRTディスプレイとG90でも観たが、動きは完璧、というより動きボケなど皆無である。メトロノームが先っぽに行くに従ってボヤけて来るなんてあり得ない、というより、ごく「普通」に表示してしまう。 多分、CRTしか観たことがない人なら、何故こんな「普通」のシーンがベンチまたはテスト映像なの??と逆に不思議に思うだろう。 僕が難しいと感じたシーンは、車が街を走っているシーンだが、この車の「ホイール群」だ。これに注目して欲しい。 ナンバープレートが見えるかどうかという解説が入るが、そんなものはCRTなら目で追うと「止まっている」かのように見えて当たり前なので論外、それより、このホイールの回転の方が圧倒的に過酷だ。CRTで表示すると実際に目で見るようにリアルにその回転が見えるはずだ。この部分はCRTごとでも微妙に差が出る。 車のホイールは、速度により人間の動体視力の限界を超えると、逆回転して見えたりするのだが、これを逆手に取って、そのホイール特有の美しいデザインとしているのは、車に興味がある人ならご存じだと思う。それが上手く表現出来ればいいわけだ。 つまり、それ位ハイレベルな映像が入っている。 また、動き以外では、その他にもバリ島のシーンは解像度感と色諧調が素晴らしい。静物ではパンや卵の質感が非常に良い。黒諧調のシーンは、表示デバイス、送り出し再生機器により様々な結果になるので面白い。 現状ではハイビジョンカメラが簡単に買える時代なので、デモ映像は自分で録れば良いじゃないか、という意見もある。確かにそれはある。転送レートも25Mbps位で録れるビデオ映像なんだから。また、実際にそれを観たことがあるが、非常に綺麗で驚くばかりだった。 が、今回の映像と比べて、一つ違いがある。 それは、解像度感だ。収録出来る画素数は同じでも、カメラのレンズや記録情報量の性能が現状の安価な市販機とプロ機ではまだ違うように感じるのは如何なものか。なので、このソフトは価値があるのだ。 兎に角、HQVベンチマークソフトは市販で5000円以上もしたので、それからするとこんなソフトが1300円の雑誌の付録だから恐れ入る。これには賞賛を送りたい。 惜しむらくは、これに24P収録の映像を入れて欲しかった点だ。このソフトはビデオ用であり、映画用ではないのでこの点だけは要注意である。理由は、当然だが24コマ収録ではまた別の部分が問題になってくるからだ。これを忘れてはいけない。 今後は是非24Pのデモ映像が出てくることを願うばかりである。 また、どうしても譲れない点として願うことは、このBDの動きを完全に再生出来る表示デバイスが出てくることを心から願う。 |
2007/12/18 ブルーレイじゃ、もったいない・・ |
|
![]() |
さて、なかなか時間が取れない、。でも、色々ネタは仕入れた。最新の固定画素プロジェクター各種の視聴に行ったり、次世代ソフトも少しずつだが増えて来た。また、肝心のスピーカーユニットのことや、次なるリアスピーカーの問題、、などなどだ。
が、何分落ち着いて日記を書く時間がないのである。仕事が終わって一息ついて、さて、と思うと大体の場合は夜中の2時がいいところなんである。そうなると軟弱なおいらは寝てしまうのである。スミマセン・・・
で、今日はちょいと問題があるので報告を参考までに少々、。表題の件である。冗談を言っているわけでも誤字でもない(笑)。 実は少し前に、過去に録り貯めておいた貴重なHVのライブ放送をBDにムーブしておいた。BW200を買ってしばらくした位だから、丁度8月頃だと思う。で、遂に念願のBDに最終形としてコンテンツを移動する嬉しさから、テープからやっと解放だあ!と喜んで悦に入っていたのも束の間、、 先日ふとこのBD-REを取り出して、HTPCまたはBW200で再生しようとしたんだが、何故か読めなくなっているのである。認識しないのである。 なんだコレは?? 録画して何度かは再生して有頂天だったのは覚えている。BDになって何だか得した気分だったのである。これでテープから脱却出来るなあ、と思いつつ、ニタニタしながらディスクを眺めた記憶はある(変人の本領炸裂)。 なんだが、先日からどうしても読めないのである。HTPCは認識しない。BW200はたまにかかることはあるが、その後は全然読み込まなくなった。ずっとランプが読み込み状態になって認識しない。勿論PS3でも駄目だった、。 で、どうしても気になるので再度記録面を覗いてみた。傷は間違いなく見られない。汚れもない。何でなのか全然原因不明。しかし、一つだけ僅かな異変に気が付いて、虫眼鏡で周囲を見てみた。 初めはよく分からなかったが、しばらく細かく眺めていると、何となく縁の部分からシミのようなムラが出来ていることに気が付いてびっくり。丁度貼り合わせてある信号面の幕が浮いているような感じだ。 もう一枚、まったく同時期に買った同じ種類のBD-REに、別のライブ映像を録ったものと比べてみたが、こちらにはこんなシミはないのである。 これが原因なのか?。 が、別に落としたこともないし、取り扱いには十分気をつけていたはずだ。現に、他のディスクはかなりラフな置き方をしているものもあるが、全然平気で読み込んでくれる。HTPCだろうが専用機だろうが、動作はまったく問題なし。綺麗に映っている。 となると、やはりこれはメディアの個体不良なのか?これには少々驚いてしまった。これじゃ某海外メディアの安売りパックのDVDみたじゃないか!?でも・・・こんなにBDって耐久性が低いものなのか、またはバラツキの多いものなのか?確かに、メーカーにより記録面は見た目で構造がかなり違うのは分かる。 ちょっと信じられないようなことだが、それでも「読めなくなっている」という事実はある。ドライブの問題でもデッキやBDメディアのバージョンアップのせいでもないような気がする。(注:BDデッキとメディアは、実はユーザーの知らないところでバージョンアップされる仕掛けが施されていると聞く。) BDは品質管理が非常にシビアに行われているとも聞く。でも、本当にDVD初期の頃のように、不良品にたまには出来くわす、なんてことはないんだろうか?まだ出始めのメディアタイプなので、未知の不具合はあるかもしれない。でも、そんなレベルなんだろうか? でも、これではとてもじゃないが、BDなんかに保存するなんて気は、とっとと消え失せ始めているのも確かだ。 どうも納得が行かないのだが、それでも大切貴重な記念ライブ映像が、返らぬものとなったことは否定できない現実なんである。 勿論、コピーワンスなので更にどうにもならない。というか、もう元は残っていないのである。あるアーティストの記念ライブだが、二度と観ることは出来ない。。。 気分はブルー、、って洒落にもならん。 困ったもんである、。 だからコピー10が必要、なんて理屈にはならないが、それでもこれではお話にならない。しかもBDメディアはまだ高額であり、僕の田舎地方では一枚1000円が最安値だからやる気がなくなる。これに二層とくれば、市販BDコンテンツが出るまで待った方が良いかもしれない。 また、放送の貴重な映像は、やはり今まで通りHDDにダブル録りで、そのまま保存がベストかもしれない(笑)。だって、コンテンツ保護どころか、こんなにあっさり消えたんでは、個人の貴重コンテンツを軽く見ているとも解釈出来るから。、 尤も、HDDにも寿命はあるので完全とは言えないんだが、それでもこんなにあっさり駄目になってしまうような記録媒体レベルでは、まだまだ普及は苦しいと僕は思う。。。 現状の結論は、まだBDの保存レベルは未知数。正に貴重映像は「ブルーレイじゃ、もったいない」ってなことになるんだが・・・。 果たして如何なものか? |
2007/12/07 真偽の程は |
|
![]() |
やはり12月ということもあって、随分寒くなって来た。こたつが恋しい。それに、暖房もエアコンをフル稼働し始めた。本当は石油ストーブの方がパワーがあるのだが、何分燃料費が高い。
でも、まだまだ寒さはこれからだ。それに、この程度の寒さで文句を言っていたら、雪国の人に怒られるかもしれない。 さて、暖房を付けた締め切った部屋で温々としていると、部屋の空気は段々汚れる。料理の臭いや衣類の埃、当然人も呼吸するし、ペットなど居たら更にだ。これにタバコ一発、、と来たら、もう其処は「空気の悪い場所」になってしまうかもしれない。 もう窓を開けなければどうしようもない、が、そうなると折角のぬくもりが逃げてしまう。もう少しどうにかならないものか?という都合のいい要求をするのが人間だ。 そこで、今流行の「空気清浄機」の登場である。 実を言うと、長年はこぶねで使用していた「イオン空気清浄機」が、去年、遂に壊れてしまったのである。、確かに10年近く使っていたので、近年ではランプが付いたり消えたりと動作がおかしくなっていた。 さて、そこで早速電気屋に同じような仕様のものを探しに行ったのだが、人間というものは、興味が無くなったらその世界には疎くなる、いや、情報がその時のまま止まってしまっているので、正に浦島太郎である。 で、店員にそのことを伝えて、イオン型空気清浄機を紹介してもらおうとしたら、、何と! 店員:「あー、あの手のものは駄目です。あれは近年になってテレビで清浄実験をしたら、あれはまがい物だって分かったんですよ。なので、今はちゃんと○○○(何だか忘れた)という規格があって、それを満たしてないものは空気清浄機として認められてないんですよ。つまり、お客さんが使われていたものは、ウソの空気清浄機だったんですよ」と・・・ これには驚いた。 そう、僕は10年近くも思いこみに騙されたいたらしい。。。空気が多少なりとも綺麗になると、。 確かに、あるVAマニアの友人に、この手の清浄機は人体に悪影響がある、特にコロナ放電については非常に体に悪い、と指摘されたことはあった。が、個人的には自覚症状としては何も起きないのでそのまま使っていた。 でも、ここまで言われると流石に冷や汗が出た来た、、。 そうだったのか、思いこみだったのか、、と。でも、臭いは消えるんだけどなあ、いや、これも思いこみなのか、と。 で、今回は店員さんお勧めのちゃんと吸入ファンが付いていて、空気を吸い込んで吐き出す清浄機を買って来たのである。確かに、掃除機の理論と同じで、ある程度強制的に部屋の空気を吸い込まないと、埃や臭いを取る大きな効果は期待出来ないだろう。今までのようにコロナ放電が少々あった位でははこぶねの空気を吸い込むのは無理だという、当たり前の理屈である。でも、今回もイオンシャワーというのが気休めなのか付いていた。(笑) 僕はファンが付いている空気清浄機を今までは嫌っていたが、それでも音を聴くときは切ればいいことで、また、映画を観ている時はPJのファンの方が遙かにうるさいので気にならないし、それにそもそも最近ではファン付きのAV機材が我が家でも増えてきたので、言い出すときりがない。特にハイビジョンレコーダーはうるさい。使ってない時でもファンが回っているのである。
さて、あれから数ヶ月経つが、効果の程はどうか?と言われると、これが何とも言えないのである。僕はやはり鈍感なのか? まず、気が付いた点。 1,今まで部屋の隅や棚などに、白い本当に「細かい埃」は、掃除機をかけてもそれほど残ることはなかった。が、最近は何故かその量が増えているように感じる。 2,イオンシャワーを使っているが、臭いが取れているとも思えない。まず、はこぶね特有の新建材とコンクリートの臭いが、以前の空気清浄機の時は殆ど気にならなかったのが、何故か妙に気になり始めた。何となく中に入るとコンクリート臭がするのだ。以前はイオン臭に誤魔化されていたのか? 3,ファンが回っていると、何故か咳払いが増えるような気がする。これは僕が歳を取ってきたからなのか? 4,何となくだが、最近鼻の中がはこぶね内にいるとムズムズする。
で、個人的には、どうも気になる、、。 まず1,だが、これは掃除機を換えたことが原因かと思い、元に戻してみたが、やはり変化なし。明らかに細かい埃は以前より目立つようになった。つまり、空気の移動が多ければ、それで埃は舞うわけであり、空気が移動しなければ、当然埃も立たないのである。試しにエアコンのフィルターを確認してみたが、やはり以前より埃が増えていることに愕然としてしまった、。つまり、ファンを増やしていることが、ある意味で埃が舞いやすい環境にしているということだ。 それから、臭いに関しては、僕は耳も目も頭も悪いが、鼻は良い(笑)。特に臭覚は人よりは良いと思う。で、やはり臭いが気になる。確かに以前はイオン臭があった。が、今回はそれがないのかもしれないが、少なくとも絶対に臭いは取れてないと僕は感じる。 また、この手の製品は「ある程度埃が多く空気の悪い部屋」で使って初めて効果があるのであって、はこぶねのような殆ど空気の流れがないような場所には向かないのではないか? つまり、使用規模と用途が違うような気がする。僕は喫煙者だが、はこぶね内では絶対に吸わない。リビングで使えば効果絶大のような気もするが、はこぶねの環境があまりにも特殊過ぎると思う。 また、はこぶね内は空気孔が2箇所あるので、24時間で空気が自然に入れ替わるのは長年の経験で分かっている。つまり、ゆっくりとした一定の空気の流れがあるのだ。それよりもファンの方が強力なので、このようなことが起きるのではないか? さて、まだ使っている最中なので結論を出すのは難しいとは思う。が、個人的にはこの製品ははこぶねには向かないかもしれない。 ところで、オーディオもビジュアルも効果の真偽を確認するのは自分であり、何が良いと感じるかも自分である。能書きは当てにならないこともある。使う用途、場所、使う人、によって評価は異なるわけだから。尤も、毒を飲めば結果は明らかだが、オーディオ機器はまた別だということだ。 まあ、10年後には分かるかな、。
我が師曰く、「物事、大切なことは『裏の裏』を読む力が必要」だと。 師よ、仰る通りです、と思う師走の頃。。。 |