2011年

10月度

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2011/10/23
久しぶりの工作特集?
 さて、ちょっと時間が経ったが、先日の続きである。

 そう、思い立ったが吉日、物事にはタイミングのようなものがある。

 それを運命と言う、か、どうかは知らない。でも、流れが好い時は、逃してはいけない。

 で、何とこの期に及んで、もう一台アナログプレーヤーを作ることにしたのである。(アホである)

 先日のように、KP-9010があるのだが、ここはもう少し突き詰めたいことがあるので踏み切ったのだ。

 もう何年ぶりの工作だろうか?最近は何もしていないので、完全にカンが錆びつているのは否定出来ない、。でもやはりやってみたくなったのだから行動あるのみ。

 ただ、今回はプロの方にも手伝って頂くことにした。所謂、金属加工のプロ、と言うか本業の方なので素人とは桁が違う。でも、それも良いのじゃないかと最近は思っている。考案は自分でして、それを具現化してもわうわけだ。勿論、最後の部分は自分で行うのだけれど、。

 そこで、まず、今回の工作の構想を練る。

 先日のように、KP-9010はとても良いプレーヤーだ。当時の中級機だが、正に質実剛健で一般性が広く、信頼性も高かったのは今でも実感出来る。極めつけではないかもしれないが、絶対外れない安心感があったわけだ。中級機の標準機と言うべきか。

 まず、KP-9010の構造はユニークで、キャビネットの下にX字筐体のフレームが入っており、これにターンテーブルとアームが付いている。これら全ては一体型で構成されており、非常にユニークだが構造そのものは理に適っている。

 ターンテーブルはスピンドルモーターの軸周りに液体が入れてあり、回り出すと遠心力で中心にロックされる。丁度、流体軸受けみたいな構造で、これがSN比に一役かっている、と勝手に思っている。

 これに支点の動かない独自のナイフエッジ構造のアームが筐体に連結で付いており、しかも高感度である。更にコスト重視で上手く部品選定して仕上げてあるので、猛烈な高額商品にならないようにしていた。

 今更ながらに本当に良く出来ているなあ、と感心する。お買い得、安心感があり使いやすい。

 しかし、人間とは欲が出るもので、これが良ければその上を望みたくなるものだ。そして、当然だが今のメインシステムへと変貌したわけだが、。(EAP-100MKII+SP-10MKIII+自作キャビネット)

 では現状でOKか?と言われると、先日の通り、一つに決めると、どうしても不安が出てくる。趣味なんだから、もっと気楽にやりたい。KP-9010をそのままサブにすることも考えたが、僅かに中域に凝縮した部分があるので、これを克服したい。と言うか可能性に挑戦してみたいと思ったのだ。

 そこで妙な考えが浮かんできた。

 予備のSP-10MKIIIはあるが、単体のアームがない。しかし、予算も限られているし、皆と同じことをするのも面白くない気がする。また、有るモノは使え、の信条はこのご時世だから重要だとも思う。

 で、KP-9010のアームをまたしても単体で使うことにしたのである。

 そんなことをするなら、単売アームを買えよ!と周りから言われるのは承知だ。また、この手法は今のEPA-100MKIIを使う前にやっていたので、既に通って来た道だから、進歩がないと言われるかもしれない。でも、いやいや、今回の試聴でまだ上を行けると思うことがあったのも事実。

 以前、KP-9010のアームからEPA-100MKIIに変更した時に、ある意味でKP-9010のアームの音の良さを実感した記憶がある。確かに一本に決めるならEPA-100MKIIだろう。間違いない。しかし、もう一本を選ぶなら、オイラはこれを選びたい。手元にあるんだから。更に前身のSME3009Rよりも好みなので、もう一度だけ今の環境で聴いてみたくなったのである。

 誰もやらないくだらないことをやるのがオイラの性分。変な野郎だと言われようと、思いこんだら何処までも、変人の星になるまでは、、というつもりはないんだけど、それでも同じオーディオマニアから見てもオイラは確かに変わっている。でもいいのだ。やると思い込んだらやるのだ。

 で、まず今回は以前EPA-100MKIIに変更しために、突き詰めないで終わった部分をもっと掘り下げてやってみることにする。ここを詰めることで、もしかすると今のEPA-100MKIIとは別のメインシステムが完成するかもしれない。そう、サブではなく、「別メイン」である。

 さて、今回のそのワガママ構想は、

 1,兎に角、まず安く作りたい。(最重要)

 2,仕上げは綺麗にしたい。

 3,単体アーム風に格好良くしたい。

 4,音はオリジナルとは別の良さを引き出したい。

 と、まあ、素人は極めて都合の良いことを考えたわけだ。但し、こうなるとやはり一部の部分はプロのお世話になる必要がある。特に材料と金属加工は僕には無理である。また、丁度プロの方とご縁があったのも何かの巡り合わせだと思う。日記から拝見するに、これは相当な腕の方と想像出来る。勿論、オーディオ&ビジュアルの趣味をお持ちなので心強い。

 さて、そうと決まったら原案設計開始だ。

 で、まず、、実行前に少し以前の構造を振り返ってみる。これは今回の工夫課題となるからである。

 以前の反省点はこうだ。

 A,アームをそのまま取って付けただけだったので、アームコードの選択が出来なかった。これだとオリジナルより勝っているかどうか気なり、コード交換の想像だけが膨らんで楽しめない。配線も多少危うかった。本当に取って付けただけ状態だったのだ。

 B,KP-9010のリフターは、そのまま残して別のリフター(山本音響工芸)を使ったので、見た目がイマイチだった。本体のリフターが遊んでいるわけだから、これがどうも個人的に格好悪い。おまけに別のリフターはオイルリフターだから、カートリッジ+シェルの重量で降下速度がかなり変わるのでちょっと使いにくかった。特に、冬場と夏場で速度変化が大きくて気になっていた。電動のように一定ではない。

 C,トータルでの見た目はハッキリ言ってイマイチ。高さ等の制約があったが、もう少しだけスマート&一工夫欲しいところ。

 D,当たり前だが、EPA-100MKIIと両方同時に手軽に切り替えては使えない。取り替える手間があるからだ。しかし、ダブルアームは色々問題が多いので当時もやりたくなかった。やるならもう一台作るべきだと思う。

 そこで、今回は幾つかの変更点と、自分なりの妙な(?)こだわりを入れることにする。

 @まず、キャビネットは手持ちのシナ合板の余りと、シナランバーコアの余り板を使用して、出来るだけローコストに徹する。シナランバーは密度が低くキャビネットには不向きだが、コスト重視である。しかし、中心に来る板はシナ合板を使う。これらは殆ど全て過去の余り板を代用してコストを下げるためだ。折角作るのに?と思われるが、違うのである。これはある意味で工夫と挑戦のためなのだ。材料は今のプレーヤーよりも少し多くなるので、重くなる。それを考慮に入れると、この材質でもいけると判断。

 A次に、リフターは以前から考えていたのだが、リフターをリフターで下ろす構造にすると、意外に使いやすいのではないか?と思うので、これを実現してみる。(説明は後述するが、バネタイプ構造とオイルタイプ構造を合体させることで、針の降下速度をある程度一定させる狙いがある。また、使い勝手とルックスも考えてのことだ。多少「単体もどき」にするのだ。)

 B更に、コードはRCAタイプであれば何でも使用出来るようにして、好みの範囲を広げられるような構造とする。こうすれば、普通のピンコードでも使えるわけだ。

 C今回は音を変化させることが出来る要素を敢えて取り入れる。これはこのアームを以前使った時に気がついたのだが、KP-9010のアームはキャビネットに隠れた台座が音に非常に大きな影響を与えている。簡単に例えると、市販アームは頑丈なビル構造だとすると、このアームはピラミッド構造になっており、これが音に効いているのだ。ここの台座を外してしまうと、このアームの良さが死んでしまうのだ。(実はサエクの強力なベースに取り付けたのだが、音はイマイチだった。これはピラミッド構造が関係していると判断。)だが、そのままでは面白くないので、ここを利用して更に音に変化を付けたい。鳴きも音の要素だからだ。

 一体何をやっているんだ??と思われるが、ひとまず仮組して製作開始。(つづく)

 

 

 

 

2011/10/03
有るモノを使え
 さて、既に10月である。

 つい先日まで残暑だったのに、秋というよりは夜は冬の初めのような気候。最近は、「秋」という季節が無くなっているような気がするのはオイラだけかな?

 で、それはいいとして、最近の近況から。

 まず、映像は久しぶりに良い話題として、オイラの大好きなWOWOWが3チャンネルHVになった。今までは、SDとHDが入れ混じっていて録画の日取りを選ばなければならず、意外に面倒だった。しかし、全てHDになったので、これは嬉しい。

 そこで早速録画を、と思ったら、、、何だか気のせいかもしれないが、画質が以前より良くないのである。何だこれは??

 最近「3D」の低画質が嫌で、映像から遠ざかっていたので目が衰えたのか?と思うがどうなんでしょうか?

 うーむ、無料放送だからなのか?何となく霞んだ画質というか、どうもざらつき感が汚い。それと、右上のテロップがずっと出ていて最悪だ。、これは邪魔だ!

 で、一気にまたやる気が無くなって、音に戻ることにする。(苦笑)

 

 さて、最近は個人的にアナログが面白い。しかし、悩みも多く音決めが難しい。ある針にはこちらのイコライザーが良いが、また別の針には手持ちの別のイコライザーの方が好き、なんていうことが起きる。これがCDやBDと違い、音楽の帯域によってかなり変化するから不思議だ。ま、圧縮方法が違うからなんだろうけど。

 そこで、友人に相談したら、もう一つ環境があれば良いのじゃないか、との助言を頂いた。

 なるほど!確かにそれはそうだと思い直した。一つに決めようとするから迷うのだ。これ一本、という責任感というか、プレッシャーがそうさせるわけだ。だから、ちょっとでも不得意な部分を感じると、危機感を感じてしまうのである。

 なので、そこはもう少し考えを変えることにした。(今回は素直だな。)(笑)

 そうなると、フォノモーターはSP10MKIIIの予備があるので、トーンアームさえあれば別システムが完成する。また、モーターの予備を遊ばせておくのは勿体ないし、放置していると故障の原因にもなる。現実に昨年一度壊れている。オーバーホール済みだったのにしばらく使わないで放置していたら壊れてしまったのである。結局再度フルオーバーホール済みとして、これを使うことにしよう。

 というわけで、トーンアームを物色し始めた。

 が、、最近のカタログを改めて見直して驚いた、。もの凄い値段である。。。。。。。。。

 超高価なパーツ部品と言うか、最新のDIL-Aプロジェクターが買える位の価格だから恐れ入る。何じゃこれは!?

 まあ、需要がないからそうなるのは仕方ないか。だって、アナログはお年寄りオーディオマニアの趣味だから、。ってなことを言うと、必ず反論を喰らうが、でも事実は事実である。(キッパリ)

 レコードプレーヤーなんて、持ち歩けないし(笑)設置も超大変だから一般の人が好んで買う物ではないことは確かだ。アンティークなのである。

 また、めんどくさいし、ハイファイじゃない、というのはアンチアナログ派の意見。ま、これは本来の音をどう聴いているかが問題なので、ここでは割愛。(ケンカはしない)(笑)

 で、あまりにも高いのでそこは得意の中古を探すことに・・・(オイラの本領だ?)

 が、しかーし、これがまた結構なお値段である。。

 当時数万のアームがヤフオクでもショップでも倍ぐらいの値段になっている。調べてみると、どうやらまだOH出来る製品があるらしく、これが人気の秘密らしい。当然だ、新品以上になるらしいのだから、手に入れてOHした方が新品の新型アームを買うよりもCPが高いからみんなそう考えるわけだ。

 なるほど・・

 なんだが、ここからオイラの変人気質が炸裂する。(アホである)

 まず、どうでもいいけど待ってられない。直ぐに聴きたくなったので、どうしても今聴きたい。歳をとったのか、苛なのか、、。

 すると、今度は別のオーディオ仲間から頂いた助言が頭を過ぎる。

 「何で買うの!?あるのに何で買うわけ?有るモノを使えば?」と。

 極めて真っ当なご意見である。

 確かにそうだ、、。

 で、何を思ったか、もう10年以上使ってなかったオイラの前メインアナログプレーヤーのKP-9010をひっぱり出してきた。(と言っても同じリスニングルームにただ置いてあったのだけど)

 全然使っていないのでちょっと心配。このため、すす払いをして、セッティングしてみる。大切に保管していたせいもあって、恐ろしく綺麗だ。ダストカバー以外は新品同様である。

 ただ、歳月は経っているので果たしてどうか?正常に動作するのか?劣化しているのではないか?

 これを使っていた頃は、まだ木造の4畳半の部屋だった。当時のSPはD-55である。その後はこぶねに移ってからは、殆ど鳴らしていない。多分、はこぶねでの使用は1年未満だと思う。

 で、ひとまず、以下の構成で聴いてみる。

 AT-OC9III>KP-9010>C-17>AD-290

 現在のサブメインシステムである。

 が、音を出してみてびっくり仰天!!!

 シャープで鮮烈、透明度が高くて奥行き感抜群、また、何故かSN比が極めて良い。静寂感はもしかすると、現在のメインシステムよりも静かに感じる程だ。(これは理由がある)

 これには唖然としてしまった。現在のメインと比べて、何ら引けをとらないこの音質、いや、むしろ別の良さと言うか、音色の違いも持っているからとても新鮮だ。

 こりゃ参った・・・

 あれ〜???こんな音だったかなあ、と思わず首をかしげる位だ。

 尤も、メインでも十分通用するというか、当時はこれがメインの人も大勢いたわけで、当たり前と言えばそうなんだけど、。

 「アナログ最後の砦を守るエース」と師は表現されていたが、正にその通りというか、いやいや、現状のCDと比べても唖然とするような切れ味である。

 ただ、何故今聴くとこのような音になるのか?

 ウイークポイントは3つあると言われるうちの2つは対策してある。多分このうち、その一つである床の影響が大きいのだと思う。以前聴いていた時よりも、ハードでソリッドで鮮烈なのだ。これは多分に床の環境が効いているのではないか。

 OC9IIIの良さを引き出していて、外盤A級系には抜群のパフォーマンスを見せる。これは良いプレーヤーだ。甘く切ない音を好む人には向かないかもしれないが、CD裸足の超鮮烈LPな音を望む向きにはやはり好適だ。ちょっとびっくりであるが、それにしても凄い潜在能力だ。

 唯一の気になる点は、メイン(EPA-100MKII+SP10MKIII)に比べて、中域に凝縮した部分があるといえばあるか、。でも、これはキャビネットを強化すると変わる可能性が高い。3つ目の対策だ。

 で、、何やらオイラの中で妙な気持ちが沸き立ってくるのを感じ始めた・・・(笑) (つづく)

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