2009年
8月度
※注: 先日から掲示板への自動スパムが多いので、パスをかけました。パスは僕の現在のネッシーの使用ユニット「○○○○○○○○」(ハイフンなし)を半角としました(笑)。駄目ならまた変えます。
2009/08/21 試聴開始(C-27) その一 |
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さて、「C-27」の試聴開始である。 が、その前に環境の説明を少々。(まだかよ!) まず、今回の試聴盤は殆どA級外盤に限ってスタートした。一部アコースティック収録で素性の分かるものは入れたが、基本的に優秀外盤が今回の絶対指名。 「今更もうおよしなさいよ、、そんな世界は、」と言われるかもしれない。 が、それでもこれが満足出来なければ、僕にとっての存在価値はないとさえ言えるので、敢えてこれらオンリーでいくことにしたのである。なので、一般性はないと言える。 カートリッジは当然ビクターのMC-L1000、ADプレーヤーはSP10-MKIII+EPA-100MKII+自作キャビネット。接続線はトーンアームケーブルはオルトフォンのTSW-5000silverと、フォノアンプからプリアンプのLINEケーブルもオルトフォンの6NX(1m)。 で、次にハードの比較対象は、当然手持ちの「AD-290+C-2800」である。これは現在の僕のリファレンスであり、先々代のC-280Vの内蔵フォノイコライザーに非常によく似た、まるで生き写しサウンドなので気に入っている。(デンオンの2000ZRは遂に寿命が尽きたので現在は使っていない。) どれぐらい似ているかと言うと、C-2800に組み込んだ状態では、これは同じものなのか?、と言うぐらい音色が似ている。違いは僅かに超低域の馬力が譲る点だけである。C-280Vは、馬力の点では後継のC-290V、C-2800をも上回っていると思うのが、実使用者である僕の意見。 ではどうやって時代を超えてそれを確認出来るのだ!?と思われるが、そこはデジタル技術の恩恵。 実は、C-280VのADプリアウト出力を、最高環境で直結でCD-Rに焼いた貴重な記録を頂いているので、これと比較することが出来るのだ。勿論、これはCDだから44、1Khz/16Bitに変換されているので同じではないが、キャラクターは分かる。また、この状態と同実ADを比較したことがあり、その違いの程度も経験しているので、ある程度の基準レベルが自分の中にあるのだ。 その感触からするとC-280Vの内蔵フォノイコライザーとC-2800+AD-290(AD-290Vではない!)は何となく双子の兄弟みたいな音なんである。 但し、AD-290VとAD-2800は僕の好みではない。まろやかさがあってある面では良いのだが、個人的にはハードでソリッドな「対決サウンド」が好きだ。これは好みだからどうしようもない。良い悪いではないのだ。 で、今回のC-27の設置は写真の通りだが、重量が14Kg以上あるがキャビネットの剛性があるので、実際よりかなり重く感じる。AVアンプのようなビーーーーン、というような感じとはまったく違う。正に高級プリアンプのような印象だ。足もC-2800と同じものが付いていてちょっとびっくり、。 どんなに最新技術を搭載したTrue-HDや、何とかHDアンプのような「家電」イメージではなく、正に「オーディオ機材」と言う感じか。工芸品みたいである。 ただ、ちょっと驚いたのは、かなり発熱量があるということ。しばらく付けていると熱いのである。やはりこれはアンプなのか?
さて、それでは試聴に入る。 まずは普通にL-1000をMC入力に繋いで100Ωで受ける。サブソニックフィルターは、C-2800側で入れているのでC-27側はなし。 第一音は「古代ギリシャの音楽」(後期仏盤)。 で、、初めは針をおろすのを失敗して音楽が始まってしまった、。 が!音色としては、かなり全面に張り出すタイプだが、生硬い金属的なキャラクターがない。繊細で透明に綺麗に切れるが、それでいて曖昧さがまったくと言って良いほど無く、一音一音の切れ味を持っているのに、不思議な位「危うさ」や「誤魔化し感」がない。 しかも、何故か優しさと品の良さも兼ね合わせた豊麗な輝きは素晴らしい。 しかし、穏やかで優しいのかな、、と思いながらボリュームを上げるとフォルテで大爆発するのであっと驚く。これが個人的には凄いと感じた。溜めておいて炸裂する感じか。爽快だ。 トッドマコーバーのバイオリンは壮絶だが透明度抜群で音が引いた後に残る余韻が凄い。コロボリーはバチの響く2方向が分かって驚いた。一番分解能に違いが出たのはスターバトマーテル。声の質感が良く分離が特に素晴らしい。「楽器なのか声なのか分からない現象」がないのだ。中世のクリスマスは響きの良さに比較を忘れてA面を全部聴いてしまった。 また、このレコードはここまで録音が良かったかな?と思うぐらいの表情を見せる。何となくレコードが「新品」に戻ったようなSN比感は不思議な感覚にさえ陥る。 正直、もうヘッドアンプは要らないかな、、と思う位MC側のハイゲインイコライザーは良いと感じた。十分過ぎると言う位の音の密度がある。 但し、奥に展開する音場型ではなく、かなり全面に張り出す感じなので、人によっては好みがあるかもしれない。例えば、シェエラザードなどはある意味で出過ぎるかもしれない。 L1000はある意味で非常に扱いにくく、ピーキーで神経質、解像度は高いが装置とソフトと人を選ぶ。天才肌のような感じ。 が、それを飼い慣らしてしまう程の包容力があると言うか、これに慣れたら今のAD-290+ヘッドアンプは音はハードだが、僅かに曖昧に感じられる。高域は部分的に整理されていて生堅さをソリッドと勘違いしているのかな、とさえ感じる部分もある。 映像派にも分かるような表現をするなら、エッジエンハンスを効かせて多少輪郭を入れてあるのがAD-290、全てエッジは0にしてデコードのみで元フォーカスを勝負しているのがC-27、という感じかな。(映像派ならこのイメージが分かるかも?) この部分が今回感じた中で一番印象に残った部分だ。これなら、ある意味で万人向きとして使える懐の深さみたいなものがあるのだ。意味が分かるだろうか、。 今のシステムはどちらかと言えば蛮人向きか・・ どうしてこんな音が出るのかちょっと不思議な位である。やはり電源なのか? そう考えると、このC-27は「ADを聴くために今後もプリ交換が出来ない」ことからの精神的呪縛からも解放される。 僕にとってこのメリットは非常に大きい。
冷やかしのつもりが本気モード、怖いモノ見たさがエスカレート、ミイラ取りがミイラに?、うーん、、、コレはいけない、いけない、、聴くべきではなかったかもしれない・・・ 出会うべきではなかったかも・・・(続く) |
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2009/08/14 まずは準備だ! |
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さて、その後の「C-27」はどうなったんだ!?、と言われそうだが、実は色々あるのだ。(笑) まあまあ、まず、物事には順序と言うものがあって、何でも「いきなり」ということはいけない。段取りが必要なんである。 折角良い体験が出来るのだから、精一杯の環境の中でテストしたいと思ったのである。 で、まずはAD周りの掃除である。特に針先が汚れていたんでは、正確な音質判断は無理。特に、ビクターのMC-L1000は針先のゴミに非常に弱い、。 長年いつもは、ブラシで後ろから丁寧に埃を払ってやるのだが、実は小さすぎて実際の所、どの程度綺麗になっているか分からないと言うのが正直なところ。 でも、液状クリーナーはL-1000には危ない。液が染み込んでプリントコイル直結のL-1000には致命傷になることさえあるらしい。なので、やはりブラシが無難。 しかし、もう少しきちんと確認したいのも人情だ。 で、何か良い方法はないかなあ、と思いつつ、以前は昆虫採集用の顕微鏡を買ってきて、針先のチェックをしていた。が、これがなかなか難しいのである。まず、光の加減が上手く行かないので、先端が見えないのである。メーカーの写真のようなものは一般人には無理なのである。 あれから幾歳月も経っている。 そこで、久しぶりに新しい方法はないものか?と考えて電気屋に寄ってみた。 が、そんなものはお門違いもいいところ。あるわけない。。 こういうときに、僕がハード関係の仕事でもしていたらなあ、、と思い、とぼとぼ帰りそうになった。が、ふと思い立ってPCショップ売り場に寄ってみる。 すると、偶然にも何とも面白そうというか、怪しいというか(失礼)、変なものを見つけてしまった。 それが写真のブツである。 何かと言うとこれ、ホーリックというところが発売している、「USBマイクロスコープ」なんである。 で、これはちょいとピンと来た。 そう、ここはHTPC派の血が騒ぎ始めて、行くしかないだろ!と(苦笑) 本来はお肌のケアなんかに使うものらしいが、実態はよく分からん(失礼)。それでもお値段3980円なので悪くない。思わず買い込んで、早速我がHTPCにインストール。この辺りはHTPC派の面目躍如、と言うかサクサクと作業開始。(笑)針先が120インチの大画面に映し出されるのは、ある意味でちょっと感動である。 で、それが下の写真である。 こりゃあ、結構使える! 30万画素なので針の先端拡大部分は見えないが、少なくともルーペよりは遙かに大きく見える。特に最近老眼が出だしたオイラには良いかも、。 それにしても、一昔前なら一般の素人がこんなことは出来なかった。出来るのは一部の人か、それこそ特殊設備が要求される医療関係ぐらいでないと無理ではないか。と言ってもそれをこんな事に使うのは無理だと思うが、。 そう考えると科学の進歩に感謝、時代様々である。正に文明の利器だ。 これは良いぞ〜(<アホである) で、楽しくなって色々覗いている。あと一息の拡大解像度が欲しいが、そうなるともう少しお値段が張るだろうな。 でも、ひとまずはこれである程度の確認は出来る。 ただ、プリントコイル付近の汚れはどうやって取れば良いか分からない。というか、これはもう目をつぶるしかないかな。。 ま、ここまでやれば何とかなるだろう。 さ、今度はいよいよ試聴だ!。(続く) |
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2009/08/07 打って変わって |
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さて、時間が経ったのは訳がある。 そう、ずっと待っていたのだ。何かと言うと、写真の通り。 やっと届いたのである。。 アキュフェーズの高級ステレオ・フォノ・アンプ「C-27」である。 って、おいおい!、何時の間に、と言わないように。 勿論、借り物ですので。(笑) PCオーディオの音とか言っているが、実は僕にとってそれは本命ではない。 そもそも、PCオーディオの音は、基本的にサウンドカードと使用アプリでかなりの部分の音が決まるので、音源とDACは実は二の次である。 当然DACを高価なものに変更すれば確かに音には良いのだが、それでも先述の部分の方が音に与える影響は大きいというのが、6年程度のキャリアを持つHTPC派の僕の意見である。PCから出てくるデジタル信号は全部同じではないのだ。このため、頭打ち、という現象がどうしても起きる。 でも、ADはちょっと様子が違う。構成要素が多種多様で、手法に制限がない。音は未知数で、ここがアナログの面白いところというか、実に奥が深いところであるのは周知の通り。 尤も、今ではADを聴いたことがないオーディオマニアも増えて来たので、イマイチピンと来ない、と言う向きもありそうだが、。
で、早速インプレに入りたいところだが、まずは取説を読んでいるところである。 果たしてどんな音がするのか!? 個人的には、雑誌やネットの評判は100パーセントあてに出来ないと思っている。(スミマセン) それは、「音色」と言うのはシステム環境と感じ方が人それぞれで違い、更に文章表現が難しいからだ。 なので、実際に自分で聴いてみるのが一番である。 さて、お味は如何? |