2007年

4月度

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2007/04/23
更なる調整
 さて、208ES-Rは、そろそろユニットの個性の感触も掴めて来たので現在調整中だが、今日はFE208ES-Rのレポートの前に、音も新しくなるなら画もちゃんとしておきたかったので、先日のG90の調整のことを少々レポートしておく。

 

 先頃、G90の更なる調整をU氏に御願いした。前回の調整は、G90を導入した昨年の9月だから、ほぼ半年置いてのフル再調整になる。僕のG90は本体は中古だが、CRTは管を新品に交換してあるので、多少エージングした後の再調整が必要なのだ。

 また、G90導入まで10年近くG70を使っていたので、今回はそろそろG90に慣れて来たとも言える時期なので、色々思うこともあったのでタイミングも非常に良かった。

 機材は使っていると、当然だがその個性や使いこなしが分かってくる。そうなると、今度は色々自分なりの要望や考えが出てくるわけだ。

 今度はもう少しこうしたい、ああしたい、、と言った具合だ。

 今回は、今後導入するであろう「固定画素では絶対に出来ない部分」を詰めてみたかったのである。固定画素と同じでは面白くないからだ。

 まず、次世代HTPCを1080P/72Hzで今後はしばらく行きたいのだ。これは現状の固定画素PJでは出来ない。最新とは言うものの、基本的に現状の固定画素は1080P/60Hzである。テレビには120Hz駆動が出ているらしいが、PJではまだ観たことがない。

(この場合は入力が120Hzと言うわけではないし、固定画素はむしろ24Hz入力や48Hzでも入力が対応していれば、3管のようにちらつかない利点はあるが。)

 個人的には、これが早く120Hz対応(出来れば119.88Hz含む)になって欲しいと考えたりする。

 また、まずは色諧調がディープカラーが主流になったら、僕は固定画素メインで行くことに決めている。

 何でか?

 映画のフレームレートについては、プルダウンが今の主流であり、殆どの機材はそうなっている。これは映画ソース(24フレーム)もビデオソース(29,97フレーム)も、全て60Hz一本で破綻しないで映すための苦肉の策であり、本当のフレームレートの倍数の考え方とは違う。コマ数の余りが出るのだ。

 24と30(厳密には29,97)の最小公倍数は120だからだ。こうするとどちらもほぼフレームが合う計算になる。

 ただ、今から言わせてもらえば、僕は60Hz表示へのプルダウンは、実は「DVDのHTPC」で既に拘ってやっていた。みんなが72Hz流行だった時期は、むしろ逆を選んでいたのであり、ある意味で天の邪鬼だったのだ。(理由があるのだが、ここでは説明しない。)

 今でこそ思うことだが、皮肉だが時代はそうなると言う読みは当たっていたわけだ。また、最近流行のDVDの1080Pスケーリングは、とっくの昔にやっていた。何を今更、という感じがなきにしもあらず。

 

 が、天の邪鬼だからこそ、「HVソース」が出てきたので、それなら敢えて3管でこそ1080P/72Hzを残しておきたいのである。これでこそCRTが駄目になるまでは、使い分けの妙味として3管を残して置けるからだ。

 現実に、HTPCのHD DVD映画を見れば分かるが、動きは非常に滑らかであり(当然ビデオものは60HZでないと駄目だが、PCは切り替えが出来る)、これを観た後にPS3でHVの市販映画のBD(ブルーレイ)を観ると、動きが少しぎこちなく見える。(プルダウンが少々失敗しても、固定画素では気にならないと言うのもあるし、固定画素は24Hzでも表示出来るという利点はあるが。)

 だからこそ、これを「厳密にやるための土台」となるPJの調整をしたかったのである。何事も、指標となる基準が必要なのだ。

 厳密に調整しないで、更にはフレームはお構いなし、入力信号の種類もずさんで、「もう3管はぼんやりしていて駄目」なんていうのはナンセンスだと思うからだ。

 まあ、幸いなことに、現状ではPCだと次世代ディスクが、1080PアナログRGBで出るというのが最大の魅力であり、これを最後に生かしたかったのだ。

 

 さて、今回の調整でもう一つ狙いたかったのは、固定画素にはないコントラスト感と、何よりも色再現である。今回特に重視したのは「日本人男女の肌色」。これが一番僕の気になっている色である。

 僕が何故基本的にCRTのTVを観て画質調整するかと言うと、自分の顔を鏡で見た後に、TVを観ると、「あ、色が違う」、なんてことが直ぐに分かるからだ。見慣れているだけに、日本人の肌色の再現は非常に難しいとも言えるのだ。女性の肌は良くても、男性の肌が土色(失礼)になるなんてことがあるからだ。

 現状では固定画素の肌色は、何となく不思議な諧調を感じるのだ。

 

 さて、それでは氏の調整後の画はどうか?と言うと、これが筆舌に尽くしがたい程素晴らしい。

 今回は無理を御願いして、G90には入力が3系統あるのだが、それぞれ個別調整をしてもらった。微妙なものだが、G90(G70も)は入力経路ごとに実は少しづつ画が違うのだが、それを加味しての調整であるので凄い贅沢と言える。。。

 で、その画だが、まずフォーカス感が尋常ではない。恐ろしいまでの奥行き感と立体感に唖然である。G90の管面2500×2000ドットラインは殆ど使い切っている。

 3管は、時々マグネフォーカスを調整する必要があるのだが、素人でもマニュアル通りにやれば一応出来る。でも、そこから先をやろうと思うと、やはりプロの調整は凄いものがある。

 また、僕が使っている太古の仕様であるビーズスクリーンの欠点は、ハレーションによるフォーカスの鈍りだが、それを差し引いても氏の調整は凄まじい。1080P/72Hzでも字幕のフォントのギザギザが普通に出てしまう。しかも圧倒的なコントラスト感を放ってであるから驚いてしまう。 

 BDとHD DVDに収録されているHV収録のTHXのコントラスト諧調を比べると、何故かPCの方が深い。PS3とBW200でBDを観ると、どうやっても8段階しか出ないのが分かる。HTPCだと普通に10段階まで見える。何でか分からない・・

 そして、最後は色合い。これは何インチの3管であろうと、この風合いというか絶妙な色加減はアナログ表示デバイスの最後の砦だ。

 この状態で画が映り始めると、ライブ物はまるでその場にいるかのような錯覚、また、映画は銀塩写真が動いているのか!?と思う程の、強烈なインパクトがある。

 勿論、氏は3管が専門と言うわけではなくて、映像表示デバイスは全て網羅されている。当然固定画素もである。すなわち、だからこそ3管は3管ならではの特質を最大限出してもらえるのだと僕は思う。

 さあ、これでこそ次期固定画素の準備が出来る。

 

 個人的には新しモノ好きなので、早く最新の固定画素PJが欲しいのだが、「これは!」と言うものをなかなか観る機会がないのである。今まで観たものは、サブには良いがメインにはやはり少々苦しい。買うならメイン本命オンリーである。

 3管か?固定画素か?ではなくて、固定画素の圧倒的な個性、固定画素でしか出来ない、という説得力のある画のPJが欲しいのだ。

 当然だが、3管は既に持久戦に入っているので、むしろ納得が行く固定画素が早く出て来て貰わねば困るのだ。

 まず、何よりディープカラー対応の表示デバイスは必須。そして黒は当然だが浮いては絶対駄目、色調整はお好み次第(これはデジタルが有利のはず)、野外は自然光でも、「室内は自然光ではなく室内の明かりの色になるランプ、または表示デバイス仕様」、そんな固定PJが欲しい。

(HDMI1,3規格の音は、まだ個人的にプロセスが懐疑的なので、敢えてディープカラーとして、HDMI1,3と言う表現はしない。)

 

 お好みの固定画素は何時出てくるかな、じっと待っているんだがなあ、。PCならそれこそ固定画素が有利なはずだと思うのだが。。。

 さあ、画の準備は整った。お次は音だ。

 

 

 

 

2007/04/13
FE208ES-R装着
 さて、色々あった。

 まず、VPH-G90の通算2回目の調整をしてもらった。勿論、プロ中のプロ、UAシステムズのU氏による厳密な調整である。

 このため、色々準備やら何やらあり、少し時間がかかった。が、調整後の画は、もう凄いの一言。恐ろしいまでのフォーカス感と色再現と立体感。これについては、後日またレポートしたい。

 

 で、今日は、その後どうなったのよ?と、お問い合わせが多いので、その報告である。

 そう、FE208ES-Rだ。こちらもやっと装着した。

 まだ、スペアナやら何やら撮影しているので、レポートは少し時間がかかりそう。

 ただ、それでは面白くないので、今日は交換後の第一音についての印象のみ。

 まず、色々言われているみたいだが、ウチでの印象は、これはFE208ESとはまったく別のユニットである、と言うこと。

 流れとしては似ている部分があるけれど、全然違います、音は。

 まあ、当たり前だが、新開発なので同じだったらおかしい(笑)

 F特は中高域以上の能率が、ESに比べてかなり低い。ウチでは4db位違うので、相対的に低音が増えてバランスが全部狂う。細かいデップやピークは少なくなって、F特は滑らか。

 ただ、ツイーターの調整は難しい。ちょっと干渉があるようで、ESの時のままだと、ピークデップが出る。

 また、面白いのは、リアカノンが鳴りまくる。

 なんでか?

 フロントの能率が下がるので、こうなるのだ。

 ボーカル、弦、リュートは非常に綺麗な音で、胴鳴りの感じが良く出る。

 但し、はじけるような切れ込み、炸裂するようなハードな感じは後退する。

 こりゃ、調整は全部やり直しだなあ、、。

 ただ、中高域にある特有のキャラクターがあり、これは個人的にピンと来るものがある。そう、何とも「懐かしいキャラクター」だ。これを生かせば音楽には良いかも。。

 と、これが交換して直ぐの音である。(つづく)

 

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