つれづれ日記

2003年

5月度

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2003/05/31
思い出の品
 先日から部屋の掃除をしているんだけれど、あれこれひっくり返していたら、懐かしいものが出てきた。

 左図がそうなんだけれど、単線Fコード。何だ何処にでもあるじゃないか、と言われそうだが実はこれ、師(長岡先生)がずっと以前に、好んで使われていた日立製の試作単線なのだ。残念ながら市販には至らなかったらしい。

 何でここにあるかと言うと、当時方舟にお邪魔した時に、2階に余りがあったものを少し頂いたのである。懐かしい思い出だ。音は正に単線特有(?)のハッキリとしたキャラクターがあったのだけれど、僅かに低域がソフトで独特の音がした。

 その後師は、何種類かのコードを取り混ぜて使っておられた。どうしてだろうと疑問に思って質問したら、「コードの音は直ぐには分からない、やってみて何となく気に入ったら交換して行くんだ」と。

 今日これから書くことは、今の自分が思うことで、実際は今となっては分からないことなので、そう感じていると言うことだからあてにならない。

 ところで、その当時自分が感じたことは、師はあまり一つに固執しないが、基準は変わらないと言うスタンスだったのだ。これは意外に誤解されていると僕は思う。Fコードが最高と言うスタンスではなかったのだ。使ってみて好いと感じれば何でも使う、と言うふうに僕は感じられたのだ。

 それは、お邪魔する度にコードが多少変わっていたからだ。そのうち最終的に「今はこれにしている」と言う感じだった。しかも全て同じにはなっていなかった。常に流動的だったのだ。

 しかし、それでも音のキャラクターは決まっていると言うか、確固たる音の方向性があり、更に今までよりもより良いものを、と言う感じだった。

 僕が師から学んだ趣味としてのオーディオは、自分で決められる感性を持つことがまず大切、と言うことだと思っている。切れの良さとは何か、歪感がないと言うのはどう言う音を指すのか、取り違えるとハイ上がりで痩せた音を、鮮度が高いと間違えないようにと。

 偉そうなことを言っている訳ではなくて、要はこれを持って更に、自分が好きな音をハッキリとさせている、そしてその方向に向けてやって行く、と言うことが最重要だと言うこと。

 よく考えてみると、確かに師の推薦する物は、ローコスト機器から実際にはハイエンドに近いものまである。でも、そこには一つの揺るがない基準があった。それがそのスタンスだと思っている。

 同じものを使っても同じ音にはならない。理屈では解明していないことも沢山ある。だから決めるのは自分だ。迷わないためにも、その判断基準を自分の中にしっかりと持つことだと今でも思っている。

 もう3年の月日が流れている。自分が今、そのことを生かせているだろうか、、。 

 

 

 

 

2003/05/29
配置換え
 今週は家の掃除をしていた。もちろん空いた時間にやるのでなかなか進まない。我が家は築8年位になるんだけれど、新しいと思っているうちに結構劣化は来るもんだ。色々トラブルは出る。

 まず、トイレの金具劣化による水漏れ、次に網戸のやぶれ、ガスコンロのグリルの黒さびによる部品交換、そして住居部分の壁紙とカーテンの汚れ、更には外壁と窓の汚れ、その他諸々、色々出てくるのだ。新築の頃は掃除もマメにやっていたが、時間が経つと忙しさに負けて疎かになって来る。これをまあいいや、、、とそのままにして置くものだから、いざ綺麗にしようとしても簡単にいかなくなる。

 で、これを先週からやっているんだけれど、やっぱりサボっていたつけは回って来たようで、少々では終わらない。もともと面倒くさがりな性格なので、こう言う時は後悔することになる。まあ、網戸の張替えは、やってみると自作心をくすぐられて面白いんだけど、、。もう少しこだわってみようか、なんてやっている場合じゃない!。まだ修繕しないといけない箇所があるんだから、、。

 さて、住居のメンテナンスと並行して、はこぶね内も掃除を始めたのだけれど、今回は大掛かりになりそうだ。それは、ラックの入れ替えをしようと思っているのだ。ところで、たまに聞かれることがあるんだけれど、サブウーハーの間には何があるかと言うと、実はこの使っていないラックがあるのだ。写真に写っているのは現在待機中のそのラックである。これに普段は暗幕をフンドシのように掛けて、見えなくしているのだ。

 で、これを再び使うことを考えている。何故なら、前から考えていたのだけれど、現在のアナログを置いてある右のラックを、まず現在の映像機器が置いてある左のラックと交換して、右に持って来たい。現用の左のラックは、実は元々はプロジェクターD-50QJ用に作ったものだったので、オーディオ用より寸法が大きく非常にガッチリしているので、出来ればADに使いたいのだ。では何故今までそうしなかったかと言うと、ルックスが悪くなるからだった。角が揃わないので、見た目が飯台の上に更にラックを置いたような格好になる。これが妙〜な感じなのだ。だから、今のラックでも音には問題はないのでそのままにしていた。でも、今回は交換してみようと思っている。

 そして右のラックは左に持って来て、もう一段重ねようと考えている。理由は現在映像機器が増えて、LD、DVD3台、HTPC2台と外付けのアルミ製DVD-ROMドライブとあるので、仕方なく一部積み重ねているから、オーディオ的には絶対に良くないはず。これをどうにか整理したい。もちろん全て使わないとしても、もう一段は必要。それに使おうと思っているのが写真のラック。更に左右入れ替えることによって、TA−N1の場所を換えたい。現在は少し放熱がイマイチ。アナログイコライザーも、2000ZRを今後もずっと使うとも限らない。また、別の物を使うとなると外付けになるから、当然今の場所は確保しておく必要はある。

 だったら早くやればいいじゃないか!、と言われそうだが、実はこれが非常〜に大変なのだ。何故なら、コード類全てが一からセッティングのやり直しになるからだ。だから今まで面倒で、とてもおいそれとはやる気にはなれなかったのだ。

 でも、今回は行動しようと思っている。何故か?そう、遂に決心してフォステクスの噂のコードを使ってみようと思い始めたからだ。物は試しで、一度はやってみないと何事も分からない。

 で、そう思いながらあれこれレイアウトをシュミレーションしているんだけれど、これがなかなか上手くいかない、、。あっちが良ければこっちが届かない、使い勝手がもう一つ、なんてことが色々出てきて、思案投首状態になってしまった。

 まず、本当にフォステクスのコードを使うとすると、長さの決定が難しい。これはG70が8インチ管なので置き台の寸法が長いので、ラックの直ぐ側に簡単にアンプが持って来れない。では直線配置にすると、何と今度は床の固定電源タップが邪魔で、メインアンプの置ける場所が限られてくる。また、放熱とノイズの問題もある。

 コードは出来れば短い方が安いのだが、必要なのだから長くすれば良いかと言うと、実はそう単純ではなくて、長さをぴったり合せないといけない位「アンプの位置が限定されている」のだ。つまり、余裕を持たせてコードが長いと、今度はアンプがその場所に入らなくなるのだ。しかもこれは「ラックに入れないで」の話だから、偶然とは恐ろしい。わーっ、何てこったい!。まあ、はこぶね内のコンセントは、自分で設計位置決定したので文句は言えない。

 図ってみると、これが何と!誤差2センチ以内が限界だ。また、もし今後プリアンプを交換したら、スクリーンから視聴ポイントまで全て仕切り直しになる、、。「プリの位置も殆ど動かせない」のだ。やるとなると視聴ポイントが変わるので、当然現用の「絵と音」が変わってしまう。大げさではなくて本当なのだ。これではいくら何でも本末転倒だ。これに絡んでSPコードから何から全て、、何とも困った。

 家の掃除もあるし、やめろと言うことかな、、。それとも、今日はやはり師が微笑んで居られるかも「駄目だよそれじゃあ、考えなきゃ!」と、、。枠は必ず必要であると。

 

 

 

 

2003/05/24
2回楽しむ
 今日は発売を楽しみにしていたDVDを買いにいった。トムクルーズとスピルバーグが組んだと言うふれ込みの「マイノリティ リポート」だ。この映画は公開当時に観たかったのだけれど、時期が悪く忙しくて行けなかったのである。個人的にトムクルーズは好きな俳優さんの一人なのだ。特に短髪の時がGOOD。トップガンのイメージは今となっては無理だけれど、それでも「追い詰められる二枚目」って言うのは絵になるなあ、、。カッコいい。

 で、DVDになってから楽しもうと、映画評をなるべく見ないようにしていた。映画評はいつだって賛否両論だから、良いと言う人もいればイマイチと言う人もいる。だから個人的には観るまでは信じないことにしている。興行収益なんぞ気にしない、自分が気に入れば良いのである。オーディオもビジュアルも似たようなところがあるかな、。

 さて、早速お手並み(?)拝見。前半はちょっと気色悪いシーンが多くて重く、ホラーかと思う位シリアスでびっくり。スピルバーグとは思えない感じなのだけれど、そここそがスピルバーグだと思わせるものが見終わった後に残ると言う、その上手さに脱帽。流石だ。個人的にはストーリーに多少つじつまが合わない点はあっても、内容は気に入った。何?説明になっていないって?。まあそう仰らずに、、まだご覧になっていない方も居られるかもしれないので、エチケットと言うことで、、。

 ところで、肝心のVAはどうかと言うと、これがなかなか評価が難しい。画は意識的にホワイトバランスを崩して色を薄くしているのでドキュメンタリー風。でも、これが効果だから仕方がないし、解像度はまずまずで特撮も凝っていて良い。

 また、音の方はダウンミックスで聴いているのであてにならないが、ドルビーデジタルだと低域がやわらかく、ちょっとふっくらしていて芯がもう一つなところもあるが、重低音は効果的にフワフワと出て来て、マトリクスサラウンドも良く広がり心理的な怖さがあり、レンジそのものは広い。一方、DTSだとドルビーデジタルより少しハイ上がりの感じがあるが、切れは増してサラウンドも広がり、ガラスの破片が飛び散る感じはなかなか良い。また、水中から摑まれるショッキングなシーンではドキリとする。

 うるさいことを言うと色々あるが、DVDの音なのでADのようにはいかないと考えれば値段もまずまずで、トムクルーズはやっぱりカッコいいし、トータルではお買い得で満足。

 ところで、問題はこのDVDに限ったことではなくて、音声にDTSが入っていると、当然聴き比べをしたくなるのが我が性分。ところがこれをやると映画に集中出来なくなるのだ!。これがイケナイ。折角楽しもうと言うのに、そっちに気が行ってしまうのだから困り者だ。

 では初めからDTSで観ればいいじゃないか、と言われそうだが、ダウンミックスで聴いているのが悪いのかもしれないが、不思議なことに必ずしもDTSの方が良いとは限らないのだ。映画によってF特がまるで違うものがあるからだ。また、デッキによっても違う。キチンと5,1CHにすると同じになるのかもしれないが、現状のシステムを換える気は今のところないので、どうこう言う資格はないか。

 まあ、映画館に行けなかったから、じっくり2回楽しめってことだな、、。

 

 

 

 

2003/05/19
移動準備
 先月4月18日の日記に書いたのだけれど、まだ随分先のことだと思っていたら、つい先日NTTから「光ファイバーの工事が出来るので都合の良い工事日を決めてくれ」、と何だか今度は畳み掛けるように自信マンマン(?)の口調で連絡があった。

 あれっ、何だこの前言っていたより早いじゃないか、と拍子抜けして皮肉を言いそうになったが、どうやらNTTもがんばっているらしい。IP電話が流行ってくる前にこちらで全国一斉に手を打っておこうということなのかな?。一般回線では儲からないのかな、。そう言えば先日新聞を読んでいたら、日本はブロードバンドでは安さ、速さ、世界一なんて言う記事があったけど、競争が激化している証拠かも。

 で、それはいいとして、そうなると本当にこのHP(ホームページ)を移動しなければならない。僕は現在CATVネットに加盟しているのは周知の通りなのだけれど、止めるとなると当然今のHPスペースは使えなくなる。両方加入しておけばいいのかもしれないが予算がきつい。となるとやっぱり移動だ。

 今のHPは皆様方の厚いご指導のもとに既に2年を数えることが出来ている。当然その頃とは、システムも幾つか変更となっているのだけれど、それを今までホッタラカシにしているのは何と言う怠慢、、。深く反省。<(_ _)>(現在は加筆訂正をしているページを作っていますので、皆様もうしばらくお許しください。)

 このため、実はこの一週間は移動用に現在手直しを加えた新ページを作っていた。今より内容がマシなページになっているかどうかは別としても、先月から少しは真面目にWEB作成に取り組んだお陰(?)で、制作だけは進んでいる。果たしてどうかな。まあ、毎度のことで「センスが良くない」のは直らん、、。 

 さて、移動についてはほぼ段取りが決定しているので、現在の表示スクロールなどが変なページは手直しして、写真は新たに撮り直して差し替え&一部構成変更を加えた。未完のページも写真レイアウトは終了、後は内容か。今回は悩んだが別枠でHTPCのページも追加することにした。これで大枠はほぼ出来上がった。

 ただ、問題点はカウンターとフレームだ。どうやってカウントを引き継げばいいのか、現在勉強中でまだ解決していない。訪れた方に、現在のトップページから、移動先に自動ジャンプして頂く手法は教えて貰って分かったのだけれど、カウンターがまだ分からない。これに絡んで、フレームを付けるか付けないかも多少考えている。

 個人的にはフレームを付けない、というのがこだわりだったのだけれど(出来ネイだけなんだけど)、やっぱりご覧頂くには不便かな、と言う気もする。初めて来られる方のことも考えないといけないと言う反省もある。まずはテストを重ねて正常に動作するのを確認しないと、、。さあ、もう少しだ。

 素人の顛末や如何に?、なんて内容のない日記でゴメンナサイm(__)m。

 

 

 

 

2003/05/13
デザインと中身
 先日友人が訪ねて来たのは先に書いたのだけれど、もう一つその時友人が興味を示したことがあった。

 それははこぶねの「壁紙」だった。我が家に来るオーディオに関係ないお付き合いの人たちでも、はこぶねの壁紙は意外と珍しがられる。気にしなければ気にならないが、よくみるとインパクトがあるらしい。

 これはその表面の起伏の大きさが原因だ。はこぶね内の壁紙は建造当時に、音の拡散に少しでも役に立てばと思い、色々探して出来る限りデコボコした壁紙を選んだのだった。写真ではそんなに大きく感じないのだけれど、実物を見ると大抵の人は珍しそうに眺める。「こんな壁紙もあるんだ、、」と。

 実はこれ、普通の壁紙のカタログには載っていなかった。では何に載っていたかと言うと、これは特殊な天井紙のカタログにあったものなのだ。一般家庭ではまず使うことがない、大ホールの天井などに使う壁紙デザインらしいのだ。何しろ壁のコンセントプレートが少し埋まる位フカフカしているのである。大きなホールで遠くから見ると自然に見えるようになっているのである。

 だから、近くで見るとはっきり言って妙〜な感じかもしれない。人によっては「落ち着かない」や「気持ち悪い」と言った人もいた。

 しかし、音への影響は別にしても、個人的にはこの変なデザインが実は自分では気に入っている。美の感覚と言うのは個人差があると思う。自分ではカッコ悪いと思うデザインでも、それが良いと言う人が絶対いる。その逆も然りで好みは人それぞれだ。

 ところで、オーディオ機器の場合はどうだろうか。僕はオーディオ機器については、デザインで選ぶということはまずない。音、絵、性能が重要でデザインはその機器の性能が気に入れば、段々デザインが好く見えてくると言う、メーカー側にしてみれば都合の良い性格(?)をしている。もちろんデザインをまったく気にしないと言うのではないんだけれど、その製品としての中身が気に入れば痘痕もエクボなのである。まあ、物理的に強度の弱いデザインは気になるんだけれど、、。

 何が言いたいんだって?。う〜ん、、、実はブルーレイのことが頭から離れないのだ。デザインは確かに独特だが、その性能とスペックが気になってしまって心惹かれて仕方がない。まだ今後業界がどうなるか分からないし、今はデモ的なものがあってそのうち値段が下がるであろうことは分かっている。

 また、AODや二層記録の問題もあるが、でも、欲しいものは欲しいのである。また、憧れるとそのデザインが好く見えてくるんだなあ、これが、、、。うーん、使ってみたい。

 

 

 

 

2003/05/09
思うツボ
 さて、左図は先日のB氏が帰った後のはこぶね内。スワンを繋いだり機材を動かしたので、かなり散らかっている。しかし、家主としては気分は悪くない。彼が自作オーディオを始めるとすると、また一人この趣味の仲間が増えるのだから良いではないか。

 何?、やはり僕は信者だ?B氏は毒牙がに掛かっているだって?、、そんなことはどうでもよろしい。

 ところで、友人B氏はどうやら初めにスワンというスピーカーの写真を奥さんに見せたらしい。これを自分で作るんだと、。さてどうかと思ったのだが、これが以外に面白い返事が返ってきたらしい。奥さんはもちろんお値段とルックスが重要なのは想像に難しくない。で、奥さん曰く「へー、これ結構インテリアとしてお洒落ねえ、今のダークシルバーのいかにもスピーカーって感じよりいいわ、床のフローリングリングともいい感じ、これから音出るの?」と、何とも意外な答えだったのだ。音なんか当然聴いていない。

 しめしめと思ったB氏はそこから、あることないこと次々に喋ってSP自作しても良いと、言うところまでOKを貰ったそうな。メデタシメデタシである。

 ただ、問題は一つ、やっぱりSPの大きさがもう少し小さくならないか?、と言う宿題を貰ったらしい。やっぱりそうなるか、、。となるとフラミンゴか?しかしスーパーフラミンゴはユニットが手に入らない。また、スワンなら我家に過去の余りの108S-6NやESがあるので何とかなる。

 まあそう言う事で、先日からB氏が度々質問のTELをして来ている。さてどうなることやら、、。ただ言える事は一つ、彼は多分スワンでなくても他の何かの自作SPを作ると言う事だ。それはほぼ決定らしい。いやあ〜メデタイことだ、って正に僕の思うツボに嵌まったわけで、ここからは少々責任が出来てくるな。

 いっそ映画用に5,1CHウラヌスなどもいいかな、、などともう完全に無責任モードアドバイスである。さあガンバレ!もう一押しだ?

 

 

 

 

2003/05/04
自作オーディオのススメ
 先日のB氏との試聴のやりとりには少し続きがあって、彼はどうして聴く環境でこれほどまで音が違うのか?、と言うことが気になって仕方がないらしい。

 うーん、、、個人的には、それは当たり前のことだと思っているんだけれど、彼は寝室のSPで聴く音が、何故このようになるのか?はこぶねのような大型SPだから今回は差が大きくハッキリ出たんだろう、と色々理屈を付けていた。彼自身の音量ではまずまずなのに、、と。でも、確かにリビングではイマイチなのでこのような録音なんだろう、などと。

 もうこなると一から体験してもらうしかないと思い、スワンを聴いてもらうことにした。アンプはPM−390に、CD-PにはS-747を使う。音量は中音量程度。僕もしばらくスワンを聴いていなかったので、どうかなっと思ったが、音が出た途端自分でもやっぱりびっくりした。

 比較用ソフトの録音の良し悪しの差は歴然としていて、メインシステムのネッシーで聴く以上にハッキリと分かる。確かに不思議なもんだ。スワンのFレンジ帯域はSACDとはかけ離れていて狭い。でも、録音の差はモロに出る。

 で、問題はここから。B氏はこれにショックを受けたらしい。そしてまさかと思っていたが、、、「これ面白い、欲しい!」、「ナンボ(幾ら)するん?」。

 あーあぁ、、やってしまった。我ながら意地が悪いとは思ったが、もう遅い。彼はこのスワンが気に入ったらしい。終いには、「なあ、これ貸して?」と、、。(-_-;)お前なあ、久しぶりに来て、、、作れよ自分で!。

 と言う訳で、スーパースワンの記事と、自作記事の本を数日貸してあげることになった。ただ、このSPは小さいようで実際は場所を取る。まあ、それは彼が奥さんと決めることなので良いか、、。でももう少し小さいのにした方がいいんじゃないかな。まあ、どうなるか知〜らない。

 ところで、これがあって僕も久しぶりに師(長岡先生)の著書を幾つか開いて、前書きの部分を読んでみた。自分では既に読んで当たり前になってしまったことが、本には非常に丁寧に解説されてある。古くは釘の打ち方から、ネットワークの組み方、また自作バッククロードホーンの考え方や設計方法などなど。

 オーディオはやりたい人が自分の思うようにやればいい、あえて人に勧めるなんてことはすべきではない、と思っていた。が、やはりそのきっかけや機会に出会うことというのが重要だと思い直している。現在も自作派の方達は健在だろう、しかし、新しくこの世界に入って来る人がいなければ、この世界は進歩しないばかりか衰退する、、そう思い始めた。

 そのためには情報がなければいけない。今、師の著書はどれぐらい手に入るのだろうか。中には絶版もあると聞く。これではいけない。情報が手に入らないとその面白さにも出会えない。僕がこの世界に入るきっかけとなった本は、以前音楽の友社から出ていたものだった。その頃は組み立て手順の立体図面まで載っていた。あの本はまだ買えるのだろうか。また、これから自作SPの世界はどうなるのだろうか?。

 とにかく出来る限り情報は自分としても伝えていくべきだと思い直した今日だった。自作SPの安く楽しむ面白さを、、。

 

 

 

 

2003/05/01
普及のためには
 今日、しばらく会っていなかった地元の友人B氏が電話をして来た。何かと思ったら、あるSACDソフトを買ったので、はこぶねで聴かせて欲しいと言う。

 何だろう急に、、と思ったのだが、久しぶりなのと、たまたま今日僕が休みだったので、早速我家に招待した。彼とは、はこぶねが出来た頃(7年前位)一度新築祝いに来てくれたきり、別場所で会うことはたまにあったが、我家で会うのは2回目だ。

 彼は僕が言うところの「オーディオマニア」ではない。でも、2つのシステムを寝室とリビングにもっており、小型だが国産のキチンとしたVA機器である。いわゆる音楽ファンだと思う。ただ、まだSACD-Pを持っていないので、今回どうしても聴いてみたいということで電話してきたらしい。

 で、何のSACDかと思ったら、それはJ−POPだった。しかもCDとSACDのハイブリッドで、マルチチャンネルまで収録してある代物だったので驚いた。アーティストもかなりメジャーなものだった。

 おお!ついにこんな時代が来始めているのか、と思わず嬉しくなった、が、がである。

 僕のSACD環境はそんなにグレードの高いものではなく、S−747なので普及価格帯だから、高級SACD−Pのようにはいかないのは百も承知だ。しかし、それを差し引いてもハッキリ言って、このソフトは音が良くない!。明らかに高域が歪っぽく、また、低音は水を入れたゴム風船の水が足りないような何ともブヨッとしているが量感がかなりあると言う妙な音だった。ボーカルは巨大でわめく。これはSACDが云々と言う以前の問題である。試しにCD部分をTEAC−25XSでも聴いてみたが、傾向は同じだった、、。今回は借り物なのでパッケージは載せられない。僕の手持ちのSACDソフトを何枚か比較用に聴かせたが、やはり全然違う!。

 彼とは頻繁には会わないが、基本的に昔から親しい間柄なので、はっきりそのことを伝えたら、彼も同感だったようだ。ただ、寝室では上手く鳴っているがリビングで聴くとイマイチなので不思議に思ったので、我家のシステムで聴きたかったということだった。

 何となく彼の顔つきが変わった。このVA世界の「ある何か」を聴いてしまったときの顔だ。やばいぞ、、。

 ところで、それはそれとして、今回のソフトは音はイマイチだったが、此れだけの仕様で、国産がポピュラーを出してきていることに、個人的には非常に希望を持ってしまった。

 何故って、、普及しなけりゃSACDの未来なんか、例え音が良くてもないと思うからだ。一般に普及してこそそれぞれの価格帯の製品が出来てきて、そこから趣味性を重んじる人たちのニーズも反映されてくると思うから。とにかく普及することに専念して、多くのソフトを今後も出して欲しいものだ。そりゃ、録音は色々あるけど普及が一番!

 早い話、売れなきゃなくなるのは必至だということ。(つづく)

 

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