つれづれ日記

2月度

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2003/02/24
インナーリング(IR-208 M6) その四
 さて、やっとインナーリング取り付けが完了した。と言っても、実際には19日には実は出来ていたのだ。何で早く書かないんだよ!と言われるかもしれないが、理由が二つあるのだ。

 何でもそうだが、必ず慣らし運転が必要と言うことと、僕のタコ耳では即判断しない方が無難と言うこと。つまり多少のエージングと耳のなじみを待っていたのが一つ。

 そして二つ目は、、、これが想像していたよりもインナーリング取り付けによる音の変化が大きかったのだ。しかも予想していた音の変化度合いよりも数段上を行くものだったのだ。

 結論から言うと、何でもっと早く取り付けなかったのかと後悔しているぐらいだ。音は明らかに音像のにじみが減って音場感がよくなり、見通しが良くなるのだ。もちろんこれはくずてつ船長宅で経験済みだったので良くなるのは分かっていたんだけれど、、。

 例えると、ツイーターを木の置き台から鉛の置き台に交換してガッチリ固定したような感じ、または、ちょうど自作木製ラックにフラワーベースを敷いた時の音の変化に感じが似ている。foの違うもを合わせてダンプ効果を出すという感じか。

  と言うのは、インナーリングは単体で触るとステンレスなのでかなりキンキンと鳴きがあるので、多少色が付いてきらきらするかなあ、と想像していたのだが、これが反対で中高域はむしろしなやかさが出て来ながらにじみが減る。それでいて切れが良くなるのだ。

 しかし、実際に我家で二者比較で体験してみて一番以外だったのは、中高域よりも超低域の押し出し感が意外な程良くなってびっくり。

 個人的には、低域、特に超低域の「ズドン」と来る風圧感の瞬発力が非常に良くなって、サッと出てピタリと止まる。立ち上がり立ち下がりが実に良くて、それでいてゴリゴリした感じが出てくるので嬉しくなってしまったのだ。何故か我家ではこの変化が大きかったのだ。これが予想外だったので冷静になるまで数日色々聴きまくっていたのが二つ目の理由だ。

 何でこんなに変わるのかよく分からないが、これはネッシーIIとスーパーネッシーの元々の重量からくるマスの違いかもしれない。僕のネッシーIIはスーパーネッシーに比べると遥かに軽いので、インナーリングのように前後でがっちりと固定出来ると、ユニットの振動効率良くなって変化が大きく出たのかもしれない。特にネッシーは共鳴管なので超低域での音の変化には敏感なはずだ。

 また、確かにネッシーIIは、本来はFE-208S用であるからこれは当然かもしれない。現在の構成ではFE-208ESに更にDFリングを付けているので相当無理をしているわけだから、裏側からの補強はかなり十分にやらないと足りないということかもしれない。

 やっぱり何事も自分で実際にやってみるに限る。体験しないと分からない喜びと言うべきか、得るものは大きいのだ。確かに爪付きナットも、木ネジに比べると強固で頑丈なので、ハイCPで絶対にお勧めなのだが、インナーリングは更にその上を行くものだった。音を聴いたらもう外せない。作ってくださったIさんに感謝の気持ちでいっぱいである。(Iさん、とんぼさん有難うございました。)

 ところで、、、ここまで来たら更に欲が出てきた。そろそろネッシーIIIに交換してインナーリング仕様専用で作るかな、、。 

 ん!!そうだ、その前にこれはウーハーに使うと相当効くんじゃないだろうか?。

 

 

 

 

2003/02/18
インナーリング(IR-208 M6) その三
 さて、インナーリング取り付けにすっかり時間が経ってしまったが、どうにか片側が完成した。

 まだ片側だって?、、と何をグズグズしているんだと言われそうだが、これがやり始めると色々やらねばならない工程があってかなり時間がかかるのだ。

 詳しくはまた素人の無責任講座に載せようと思うのだけれど、とにかくやるなら徹底したくなるのが我性分で、ネッシーを分解していたのだ。

 と言うのも、僕のネッシーは本体下と共鳴管部分とハカマ(?)部分が全て外せるようにしておいたのだが、これを全部はずして一からやっていたのである。

 何故かと言うと、リングをネッシー内部に落としたはいいが、これが引き上げるには手が届かないのだ。しかも折り返し部分のUターンがぎりぎりなので、ネッシーを分解してバッフル側から先に紐を通しておいて、それをネッシーの開口部分まで持ってきておき、それにリングをくくり付けて、再度バッフル側から引き上げる必要があったのだ。

 また、穴あけは物凄くシビアにやらないと8本のネジが止められなくなるので慎重にやっていたのだ。写真にあるように、難航した部分は、半径型に穴を空けるのにはちょっと技が必要だった。

 それでも今回は少しずれてしまった。しかし、ここがIさん、とんぼさんの設計製作精度の素晴らしさで、その余裕まで想定して作ってくださっていたので、バッチリ取り付けられたのである。これは凄く嬉しかった。もうその心使いにひたすら感謝してしまう。凄い精度なのである。

 さあ、要領は飲み込めたのでもう片方を仕上げて出来上がりだ、、。(つづく) 

 

 

 

 

2003/02/12
インナーリング(IR-208 M6) その二
 結局その後リングはどうなっているかと言うと、実は穴を別に空け直すことになったのだ。

 理由は幾つかあるのだが、まず、自分では強力で気に入って使っていただけあって、つめ付きナットは少々では外れそうにないのだった。多分鬼目ナットなら何とかなったと思うが、僕の場合はバッフルに少し埋め込んでボンドまで付けていたので、無理に外すとかえってバッフルがボロボロになると判断したのだ。

 それからもう一つの理由は、初めは今の8本の穴を更に16本の穴にすると切り取り線状態になってバッフルが弱くなるかと想像したので、外すことばかり考えていたのだが、良く考えたら前後でインナーリングとDFリングで完全強力に挟み込むのでまったく問題はないと分かったのだ。

 次に、これをあれこれ思案している内に、製作者のIさんから更に特注のM6のステンキャップが別に届いたのだが、これが非常にたくましくて、嬉しくなって(僕はステンキャップマニア?)これなら是非ネッシーも穴を空け直した方が結果的にパワーアップすると判断した。

 そして、更にいつかネッシーIIIに交換するにしても、今のネッシーIIをとてもじゃないが粗大ごみとして出すわけにはいかない。そうなると当然誰かに譲ることになると思う。その時は、つめ付きでもリングでも使えて、ユニット交換が自由自在だが不安定な部分がなく、状態も綺麗なままの方が喜んで貰えるだろう、と言う随分先の話まで想定して、結論として穴を別に空けることにしたのだ。

 しかも、いざとなったらつめ付きとインナーリングの音の違いまで確認出来ると言う好都合なオールラウンドネッシーIIが出来上がるではないか!と一人悦に入って現在作業中なのである。

 もちろんやるなら精度良く綺麗にしたいので、じっくりやるのがスピーカー工作の醍醐味。だから、時間をかけて正確にしたいのでもう少しお待ちを、、、。(つづく) 

 

 

 

 

2003/02/07
インナーリング(IR-208 M6) その一
 さて、今日からはスピーカー自作派である本来の自分の姿(?)に戻ることにする。最近脱線が多くて、何のページか分からなくなっていたので軌道修正しないといけないのだ。

 まず、先日ネッシーIIの強化について書いたのだけれど、ある方に大変有難いご好意を頂いて、僕もある超こだわりパーツを入手することが出来たのだ。

 それは左図上のインナーリング(IR-208)が到着したのである。そう、これはくずてつ船長がお使いの、ネッシーのバッフルの裏側に付けて、スピーカーユニットととんぼさん謹製のDFリングを、つめ付きナット以上に強固に取り付けるためパーツである。

 実はこれが開発?された時に、僕はその出来上がった現物を見せて頂いてはいた。と言うのは、その日は作って頂いた、Iさんとくずてつ船長と僕の三人のOFF会の時だったのだ。しかし、僕は残念ながら仕事の関係で、一日違いで取り付けに参加出来なかったのだった。その後、その装着された音を今年の箱船で聴かせて頂いたのだが、明らかにその滲みのない音の輪郭に、このリングの効果を感じてしまった。もちろんそれだけではないのだが、とにかくこれは欲しいと思っていた。

 これを今回我家にも導入することが出来たのである。(作って下さった超高精度工作人のIさんに心よりお礼申し上げます。有難う御座いました。)

 さて、早速取り付けに入るのだが、その前に僕のユニット取り付けについての変なこだわりは、僕の他のページにあるように、つめ付きナットが主流だ。これは木ねじよりも圧倒的に強固に固定することが出来るし、ユニット交換も楽で、更につめ付きナットの良さは、鬼目ナットに比べても更に締め付けが強く出来る点で、手間はかかるが値段が安くてハイCPなので、先代のD-55、スワン、スーパースワン、クレーン、現用リアカノン、全てに使っている。

 それから、僕のもう一つの変なこだわりは、ステンキャップと取り付けねじの径だ。元々ネッシーIIとユニットだけの装着の時から、FE-208ESのフレームにはネジは必ず6ミリを使っていたのだ。つまりユニットに使える最大径のネジを使いたがると言う癖があるのだ。

 これは木に固定する際は、明らかに5ミリとは固定強度が違うからだった。(ただし、工作精度がよくないとネジが全て取り付けられないこともあるので注意が必要である。)

 その後DFリングの取り付けにも、今の6ミリの穴を再利用したかったので、とんぼさんにお願いして、特注製のDFリングにして頂いているのである。

 単なる僕のワガママなのだが、、確かにユニットとDFリングも6ミリで取り付けたいが、これは相手が木ではないので、精度が猛烈に必要で失敗するとユニットが付かなくなる恐れがあるので、ここは5ミリにしている。(これは今後のワガママとなるかも?)

 しかし、最近DFリングを装着した時点で、DFリングとバッフルの取り付けは更に強度が欲しいと感じていたのだ。そこで今回のインナーリングの導入となったのだが、今回もワガママを言ってしまい、ネジは6ミリが入るようにして頂いて、更にIR-208の内径を僅かに小さくして頂いて、内側への余裕を作って頂いたのである。だからIR-208 M6とでも言うかな。

 ただ、これはDFリングとセットで使う際には、5ミリでも6ミリでも、木バッフルへのつめ付きによる直接取り付けの6ミリと5ミリの強度差程は、大きな差はないと思う。単に今の穴の再利用が理由なのだ。

 さて、問題はこれとは別で、今のつめ付きナットを外さないといけないのである。しかも、僕はネッシーII製作時に左図下のように、バッフルに埋め込んでしまっているのでこれを上手く外さないといけない。

 穴を空け直した方が早そうだが、さあ、外れるかな、、。(つづく)

 

 

 

 

2003/02/04
「前略、お師匠さま」
 「前略、お師匠さま。僕は相変わらず元気です。オーディオの低迷やメディアの多様化が言われてから久しいですが、VAマニアは皆元気です、、。」

 なんて言う、大昔のTVドラマくだりのジョークが分かって貰えるかどうか不安だが、左図上はそんなアフレコを入れたくなるシーンのつもり、、。ところで、これは何かと言うと、12月に書いた、過去にHi8で保存してあった、長岡先生が我家に来てくださった時のクリニックの模様である。

 本当は辛いのでこのビデオは以前から見ないようにしていたのだが、Hi8の撤退とメディアの寿命を考えて、編集してDVDに保存するために、いざ心を決め改めて見返してみると、これがむしろ非常に心が和むと言うことに気がついたのだ。いつまでも変わらずそこに居られるかのように、つい話しかけたくなる、また、特に最近の近況を報告したくなる、、そんな気になれるのであった。

 これは多分、「VもAも自分が思うように、感じるようにやれば良い」と言うことが、最近本当に自分の中で吹っ切れたからだと思う。

 で、報告したいことが二つ。まず、家庭用の記録型DVDの便利なことと意外な楽しみ。これが予想外に面白いのだった。

 オーディオに関係ないというなかれ。実際にはVAマニアならむしろ、現在のDVDの規格からくる限界がCDやADとは違い、Vの方はやはりそろそろDVDは次世代が必要かも、と感じてくるのである。これは個人的に思うのだけれど、古い手持ちのDVDソフトの一つである「クリスティーナ&ローラ」は、本当に限界まで情報量を使っているのが身にしみて分かるのだ。もちろん家庭用とは編集のプロセスが全然違うので比較は出来ないのだが、それでも勉強になるし、30コマでこれに適うものを見付けるのは難しい。これ以上の音を望むなら4.7G以上が必要かもしれない。

 ところで、個人的に家庭用のビデオからDVDへのオーサリングをあれこれやってみての感想は、ソフトウエアエンコード(PC上でプログラムだけによって元の映像をDVDで扱えるMPG2に変換すること)よりも、ハードウエアエンコード(PCにPCIカードをさして、そのカード自体が持つハード上のエンコード機能を使う)の方が明らかに画質は良かった。(音はちょっと複雑で別)

 これは僕がPC素人で、iLINKでの画像取り込み環境が整っていないために、反論異論がかなりあると思う。一応環境を書いておくと、体験版も含むがソフトは「ビデオスタジオ 6SE」、「DVD ムービーライター2」、「DVD WORKSHOP」、「デジオンオーサー2 for DVD」、「DVD CRAFT」、「MY DVD4.0」、「Power Producer DVD」、「WinProducer3D DVD」、「CINEMA CRAFT ENCODER」などその他諸々。(そこまでするか普通!)これらで、iLINKによってPCに取り込んだAVIファイルをMPG2変換したが、以前書いたようにどれもそれぞれ良い部分はあるが、元がビデオ映像とは言え、DVD化して出来上がった全体の画質はオリジナルと比べるともう一つ。

 そこで、結局Canopus社製のPC用専用カードである「MTV1200HX」を使って、アナログ映像入力をハードウェアでダイレクトにMPG2にしたものを、今度は上記のソフトの「DVD WORKSHOP」、または「デジオンオーサー2 for DVD」で再変換なしでDVD化したものが最も良かったのである。試しに、知人の記録型DVDの専用機と同条件で同じ映像を最高レートで録画して比較してみたが、専用機とPC(ハードウエアエンコード)とでは、ほぼ互角だったのでびっくりした。当たり前か、、、。確かにソフトウェアエンコードでも圧縮なしのAVIファイルを作りMPG2化すれば別だが、時間が何十時間もかかるので現実的ではないし、そこまでしてもそれ程の差は出ない。また、ハードウェアエンコードとソフトウェアエンコードの決定的な違いは、「動画の動きの俊敏さ」だった。ソフトウェアエンコードはどうしても早いシーンで輪郭が崩れて、初期のハイビジョンを思わせる「ぬるっとした絵」になる。僕はこのような現実と違う絵は嫌いだ。また、古い映画館で観るようなカタカタとちらつくようなシネマライク風の絵も嫌いだ。

(それはやり方が違い、もし、このようにすると俄然画質は良くなる、と言うのをご存知の方が居られましたらご指導ください)

 また、DVDは4.7Gといっても画質は良くても音はまだイマイチ。ビットレートの規格と記録情報量の限界ではないか。ブルーレイが出たら、個人的には絶対買いたいと思っている。もちろん成熟するまでには時間がかかるが、それでも興味は尽きない。

 で、もう一つ報告したいことは、くだらないと思っていたのだが、最近PCソフトでWindows Media 9というのが発表されたので、オフザケでPCにインストールしてデモファイルを再生してみて驚いた!。非常に高画質で唖然、、、。師が仰られていたように、今後は「パッケージメディアの存在が危うくなる時代が来る」と感じる位、WEB配信技術は進歩して来ているのを痛感した。DVDメディアなしでこんな高画質が実現出来るなんて、、、。ファイルの情報量はDVD並なので当たり前と言えばそうだが、それでもこれからはDVDもダウンロード販売なんてことが出来るかもしれないと思わせるものを感じた。(左図下)

 但し、これを再生するにはPCマシンのスペックがある程度高く、多少テクニックが必要だが、それでも素人の僕が出来たのでやはりその進化には驚く。

 、、、仰られていた通り、近年の映像技術はとんでもない時代が来ております、、、。後はどれ位音にこだわってくれるかでしょうか、。

 

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