つれづれ日記

2002年

11月度

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2002/11/28
E-1試聴(その一)
 さて、すっかりご無沙汰の更新となってしまったが、実は先日の仕事先での工事について愚痴っていたら、それだけでは済まなくなったのである。

 新機種の導入準備をしようと浮かれたいたら、、

 なんと、別部署の大掛かりな工事に付き合わされるはめになって大弱りなのだ。これが一日仕事所ではなくて、しばらく続いている。本来の仕事とは別にやる訳なので、もうクタクタになってしまった。しかも半徹夜だから参ってしまう。また、おまけに週明けまではまだまだ続きそうなムードだ。なんということだろう、、。何事にも、上には上がある?!

 それは良いとして、今日はラックスマンのE-1の試聴が出来ると言う機会に恵まれたので、これも何かの参考になるかと思うので、少し感想を書いておこうと思うのだが、あまりにも寝むいので、どうか今日はこの辺でご勘弁ください。m(__)m (つづく)

 (注:先日の導入機器とはE-1のことではありません。)

 

 

 

 

2002/11/21
プロとアマ
 今日、仕事先の建物で急きょ修理が必要な箇所が出来たので、簡単な補修工事をすることになった。工事だから業者へ頼んで、、なんてことは僕の勤め先はまずしない。

 じゃあどうするんだよ?と言うと、鉄骨工事と左官だけは業者に頼んで貰えるが、その他は自分達でやることになっているのだ。断っておくが、僕らはその道の職人でも何でもない。では何故かと言う理由は、単に経費節減のためである。良い会社だ?、、。で、誰がやるんだと言うことになるのだが、それは当然僕だ。しかも材料以外の経費は一切なし。なんだそれは!と言いたくなるが、これが我社の社風。しかも、僕は現在の職場内では、管理側の立場にいるので、表立って文句は言えないのだ。材料費だけじゃ駄目なんだぞ、と、工作は得意な方だからいいようなものの、自作オーディオマニアじゃなかったら道具はどうするんだよ!と言いたいが、誰にも聞こえんか、、、。

 さて、そこで仕方なく家に道具を取りに帰った。今回は電気ドリルが必要だったからだ。ところで、我が家にはスピーカー工作用に買った安物ドリルが3つもある。なんでこんなにあるかと言うと、スピーカー作りにそれ程高価な物を買っても仕方がないと言う、ケチな考えから特売ばかり買うので、直ぐ駄目になったり不満が出たりする。そこでまた特売を買う、、と言うことを繰り返すとこうなるわけだ。機能対コストのバランスによるのでこれは仕方がない。

 一番安いものは1980円。左図の左側グレーのドリルがそうだが、なんとこれ、以前長岡先生も同じものを持っておられたので笑ってしました。多分買う時は似たような心理なんだろうなあ、と。つまり、アマとして使うオーディオ工作にはこれで十分な機能を持っていて、ハイCPなのだ。

 しかし、今日この肝心の電気ドリルを動かしてみたら、何故かイマイチ調子が悪い。充電不足かもしれないが、今から充電している暇もない。また、もともとトルクが弱いので今回の工事にはちょっと役不足。そこで、またしてもホームセンターにインパクトドライバーを買いに行った。無駄にはならないからまあ良いだろう。

 さて、結構種類が多くてあれこれ長時間悩んだが、そこで見つけて来たのが、右側のインパクトドライバーだ。12Vでトルクもかなり強力、急速充電30分タイプ、しかもバッテリーの予備とドライバーチャックが付いていて、9800円だったので素人にはしばらくこれで十分だ、と思いこれを選んだ。難点は5段階等のトルク調整がないということだが、まあ、なんとかなるだろう、、。

 ただ、この買い方は実はまずいかもしれない。後で不満が出ることもあり得る。しかし、ここはアマチュアなのでこれでいいのだ。それから、基本的にこのような道具は、「ホームセンター」に置いてあるものと、プロが使うものとは別物なのである。

 なんで知っているかと言うと、以前「はこぶね」を建てた時に、職人が教えてくれたのである。職人さん達が使う道具は、「金物屋」と言われる所に行かないと買えないのである。しかも、値段が全然違うのだ。インパクト一つで5万円近くする!。しかも同じメーカーでもホームセンターに置いてあるものと微妙に違うものがあるのだ。いわゆる「プロ仕様」だ。それを生業としている人には、そういう代物でないとお話にならない訳で、これは当然だろう。

 しかも、もっと凄いことは、選ぶ時にどれ位使えそうか?機能と精度は本当に十分か?万が一の時に信頼が持てるか?などを短時間の吟味でスパッと判断して決めて買うらしい。試しに僕も近所にある「金物屋」に一度行って見たが、はっきり言って素人は相手にしてくれなかった。「何がいるの!」と、まるで(兄さんの来る所じゃないよ、もう帰ってくれ)、と言わんばかりの顔だった。こんな状態では僕のようなアマは選べない。つまり玄人専用なのだ。

 また、職人さん曰く「本物(凄い言葉だ)買う時は本当にシビアに現物見て判断するなぁ、失敗出来ないし、」と。しかし極短時間らしいから凄い。この職人さんの台詞は今でもよく覚えている。この時、プロとしてのこの「短時間で判断」と言うことに、僕はとてつもない重みを感じたのだ。

 さて、全然関係ないが、オーディオ機器を選ぶ時はどうだろうか?オーディオ機器にもプロ用というものがあるが、これは一般的にはあまり縁がない。プロ機器は上記の道具と同じで、プロが現場で使うための、信頼性、耐久性を重視してあるので、音質が優先であるとは限らない、と我が師は仰られていた。使う基準が違うから、これをどうこう言うつもりはない。また、プロ機器か民生用かということでもない。

 今日言いたいのは、アマが趣味として選ぶ時の判断基準と時間についてだ。以前、長岡先生の方舟に、電源コードを作って持って行った思い出がある。自分では二日位試聴して、なんとなく粒が粗いなあ、、力はあるんだがもう一息かな、と思いながら持ち込んだのだ。で、早速試聴を開始されて数枚のディスクをかけた先生は、

「、、、ちょっと大味なところがあるかな、でも、エージングかもしれないのでもう少し様子を見ないと分からないね」と。

 僕はこの時、この短時間での判断力に恐れ入ったのだった。つまり、これが「プロ」なのだ。

 僕のオーディオは「趣味」だ。だから機器を選ぶ時の基準は、まず好みの「音」または「画」。そして何より対コストだろう。これが重要。先のドリルのような値段ではないので、使い捨てと言うわけにはいかない。ある程度長期に渡る保守がしっかりしていて不安を感じないことは必要だ。また、アマだから選ぶ時間はかなり持てるが、先のことは一応考えておかないといけない。

 ところが、それらを総合的に判断するのが何故かとっても難しい。これは趣味なのでお気楽で良いのは確かだが、実は素人は素人なりに悩んでいるのだ。くだらないと思われるかもしれないが、かなり考えて判断するまでに時間が掛かる。

 本当に自分の判断は間違っていないか、大きなポカがあるんじゃないか、などなどだ。とてもプロのように即断出来る訳がないのだ。

 何のことか?実は今日、遂に新機器の導入を決意したのだ。相当悩んだが、アマならアマの判断で良いと思い、踏み切ったのだ。 何かと言うのはまたそのうち、。何せまた気が変わるかもしれないし、、。

 つまり、これが「アマチュア」なのだ。

 

 

 

 

2002/11/16
初めに音ありき
 さて、最近思うことについて、訳の分からん話を少し、。

 僕はVAが好きだ。大きな画面で映画は最高と書いたことがあるが、これは確かにそう思っている。だが、それ以前の僕のこのVAの趣味を支えている根本的な中枢となるものは何か?

 これは、理屈ではなく生理的な快感を与えてくれるものとも言うべきか、頭がハッとする瞬間の何とも言えない感覚。それは体が「爽快に感じる音」だ。これが自分の全ての根底にある。音があって初めてVAは次があるので、音がなければオーディオは当然成り立たない。当たり前だ。でも個人的にメディアは問わない。ADでもCDでもDVDでも何でも良いのだ。しかし、この爽快感がないと、どうも煮え切らないと言うか、欲求不満になってしまう。どんなに絵が良くても、何か自分の中でワダカマリが残るのだ、、。

 だから、僕は音楽を聴いていないと言われることはよくある。「音」に反応しているだけなのだ。確かに映画は内容が先に来るだろう、そして大画面になると説得力が全然違う。これは認める。何をやっているか意味が分からないような映画は面白くないので見ないかもしれない。しかし、もし音が猛烈に良かったら?。多分見てしまうかも、、。(変人だ!?)

 何が言いたいか。VAをやっていると、一番初めに自分の脳が反応しているのは、どうやら音が先のように思うと言うこと。その瞬間は何も考えていないが、体は先に音に反応が行っているように最近特に思うのだ。

 最近あるパーカッションのCDを聴いていた。優秀な録音だとは思った。繊細だが切れが良く、力があった。が、しかし、ボリュームを上げてもある一線を越えないと言うか、どうしても最後の一歩が抜けないように感じる。相当良い録音なのだが、何か足りない、、。生理的にストレスが出来て完全燃焼出来ないのだ。

 ところが、音をあれこれ考えていくと、今度は段々良く分からなくなる。そこで、また時間を置いて同じ試聴をすると、やっぱり何か足りないと感じる。何も考えていない時にふと聴いて感じる音が、一番自分には判断し易いようなのだ。自分にとって音の判断は、初めの直感を信じるのが音の判断にはベストだということ。

 そして、つまりそれは今やっている趣味の根底にあるものだから絶対において全てを左右しているような気もする。だから「音」が一番大切なのだ。音こそ全てとまでは言わないが、それでもまず、「音」だ。自分では考えていなが、脳はそれを自分の体に必ず伝えていると最近つくづく感じるのだ。(もちろん自分の好き嫌いが大切で、良い悪いではない)

 勝手な判断の間違いや好みはあるだろう。でも、音に反応する自分の体を信じよう。理屈で満足しても、体が不満を感じると、どうしてもこの快感を得られないのだから。また、他人の音ではなくて、自分の音なのだから。

 更に、この快感が楽しくてやっているんだから、、。

 

 

 

 

2002/11/12
DENON A-1試聴(その二)
 さて、遅くなってしまったが肝心のDENON A1の試聴について少々、、。

 今回選んだソフトは「スパイダーマン」「恋に落ちたシェークスピア」「グラディエーター」「デスペラード」「スターウォーズエピソード1」「クリスティーナ&ローラ春夏編」「ファンタジア2000」「ジャンヌダルク」などなど。

 まず、先日の写真から分かるように、筐体の大きさはなんと、SONY MDP-999とほぼ同じぐらいあるのでびっくりする。しかも構造は多重補強のような感じだが重量は18.5kgもある。天板も鳴きがなく、軽く叩いてもコツコツとダンプが良く効いている音でしっかりしていて頼もしい。

 で、肝心の画質は?。まず一番に感じたのは、解像度感が恐ろしく高く感じると言うか、フィルムのざらつきのようなものを出してくるような精鋭感があって、モヤモヤしたところが一切なく、今まで気が付かなかった女優さんのホクロが見えて来て驚いた。この解像度感は実に爽快だ。しかもコントラスト感は強く、ホワイトピークはS747よりも明るく感じるが、黒方向がよくしまっていてクッキリとして落ち着きのある絵だった。色はS747に比べると多少濃いようだが、どちらかと言うと癖のないオーソドックスな色合いだった。以前我家で観た、H-1000とは随分色合いは違うので戸惑ったが、これはこれで好みの方向だった。

 唯一感じたのは、輪郭の線と言うかシュートだけが、何故か太いのが僅かに気になると言えば気になるが、これはHTPCに慣れているのが原因かもしれない。

 しかし、このクッキリとしたフォーカスの精鋭感は、むしろHTPCでは絶対に味わえない別の良さがあるとも感じた。HTPCでこの感じを出すには、再生支援機能をOFFにすれば似た感じにはなるが、そうするといくつかのソフトがコマ落ちするのでなかなか難しいはずだ。この点では専用機が有利かな、、。とにかく今まで観た専用機の中ではフォーカス感は群を抜いている!。「プログレは繊細だが甘い」と言うイメージがまったく覆されると思う。まるでインターレースで観ているようなクッキリ感を保ちながら繊細で絵に切れがあるのだ。これが最新映像DACの力か、、。

 また、リモコンは必要なボタンが自照式になっていて暗闇でも見やすい。ちょっと大きいのが難点だが、これは慣れでどうにでもなるだろう。

 それから次に僕にとって重要な音はどうか、、。これはかなり私的な印象で、更に僕はアナログダウンミックスオンリーしか聴いていないので、あてにしないで欲しいのだが、個人的には音全体に厚みがあってDVD特有の薄っぺらい感じの中高域のイメージは全然なく、効果音で使われる音楽楽器の音が実にソリッドで切れが良い。それでいて妙なキャラクターのない、オーソドックスな落ち着いた音作りで、どちらかと言うと映画よりは音楽向きの感じだった。「ファンタジア2000」「クリスティーナ&ローラ」の音は実に優秀だった。DVDでもこれ位の音楽ディスクの音が聴けるのは嬉しいものがある。

 「スターウォーズ」は画質に使ってある記録情報量の限界で、音はイマイチのソフトだと思っていたが、A1で聴くとかなり印象が変わり、歪感が少なく、かなり映画に没頭出来る音になるのは立派。これが専用機の音だと感じさせるものがある。チリチリと神経質にやかましくならないのだ。これは大音量派には魅力だ。重低音は今まで我家で実際に聴いた、S9、S7000、S747、H-1000のどれよりも量感があってタップリしていて、ややソフトタッチで締まりがもう一息の感じがしないでもないが、それでもドッシリとしたパワフルな印象はなかなか良い。これは確かにDENONのフラッグシップモデルの意気込みを感じるDVD-Pだと思った。H-1000とはかなり音のキャラクターが違うが、これはこれで気に入った。やはり僕はマルチビットメーカーがお好き?

 そこで、ふと思い立って欲が出た。このA1にはデジタルインがあるのだ。これにHTPCのデジタルアウトから入力すると良いのじゃないか?と思ったので実験してみた。ところが、これが上手く行かなかった、、。何故か絵のスピードに対して音が遅れてしまうので駄目だった。どうやらこう言うイレギュラーな素人生兵法的な使用方法ではDENONのDACは使うべきではないと言うことだろう。

(注: 現在僕のHTPC用サウンドカードはDELTA410とRME96/8PST。DELTA410はOSがXPの場合、ドライバーの不具合があるため48kzでロックしません。これはDELTA社でも確認されていますが対応はまだです。RME96/8PSTは精度は非常に良く使い易いですが単独で動くので、きちんとマスターを指定していない僕の使い方に問題があります。では何故現在使えているかと言うと、これはTEACのDAC固有の仕様によるものではないかと思います。)

 まあ、それ位DENONのA1の音は良いのでDACを他で使いたくなるような音がすると僕は言いたい訳なんだが、、。

 それから、これは全然僕には良く分からなかった現象があるのだが、単に参考までに書いておくと、写真のように(上がA1、下がS747)、何故かA1の場合、メニュー画面で少し文字の色ずれが出るのだ。HTPCではドライバーによって似たような現象が起きる場合があるのだが、S747ではこれが起きない。ただし、どっちが正しいのか良く分からない。また、A1はメニューの一部で小さな点のようなものが僅かに上下に出てくる所があるのだが、これもIP変換の手法の違いによるものなのだろうか。まあ、もっとも、本編では全然問題なく、A1は極めて高画質で文句なしだが、初めての経験に単に不思議に思っただけなのだが、、。

 とにかく、今回のA1の試聴には大いに心惹かれた。これ位のクオリィティーがあれば、正直不具合だらけの下手なHTPCはいらないのじゃないか?と言う感じだった。確かに本当の意味での高像度と言うのは、デジカメの理屈に似ていて、画素数が多いほどソフトフォーカスに見えるHTPCのような場合はあるが、それでも、実際見て綺麗なら良いじゃないかと思う訳だ。とにかく、何にしてもこのA1の絵は必見だと思う。

 後は、これでコピーガードの影響がなければ僕は専用機が良いのだが、、、。今まで書いたことがないので初めて書くが、G70QJは高い周波数を受けられる高スペックが故に、実はコピーガードの影響で、525P用のIFB-1400と言うプログレ専用ボードで専用機を再生すると、画面が明るくなったり暗くなったりするのが難点なのだ。もっと画質に影響しないコピーガード手法を考えてくれないものかなあ、、。或いは、SONYになんとかしてもらうか。、、と言っても、SONYはもう3管から撤退したので、ボードの工夫は無理だろうなあ。

 さて、総評としてこのA1だが、確かに値段がS747の3倍以上するので、良くて当然かもしれないが、それでも個人的にはリファレンス専用機としての現在の専用機のトップ性能は十分感じる。音と絵にこだわりを感じて僕の心が揺れ動いたのも確かだ。

 さあ、どうするかなあ、、。そろそろリファレンス決め時かな?でも、H-2000ってどうなのだろう、、(こらっ!)m(__)m

 

 

 

 

2002/11/09
DENON A-1試聴(その一)
 さて、先日のC-2800の試聴は、自分にとって想像していた以上にショッキングな体験で、相当精神的に影響を受けてしまった。確かに非常に高価なプリアンプだったが、聴いてしまうとその優れた音質は伊達ではないと思うのだった。既に返却した現在も、耳からその音が離れない。

 これを後押しするかのように、背中を押してくださる(?)方からも幾通かメールを頂いた。確かにC-2800の演奏しているその場が全て見通せるような透明感とシャープな切れ味、そして何よりハードで筋金入りの重低音は非常に魅力的だった。また、TA-N1と相性が良いように感じられて大変心惹かれてしまった。

 う~ん、どうするかなぁ~、、本当に、。

(ここでちょっと無責任なイレギュラーなお話: 高級機はどうも手が出ない、、、と言う人には案外これは隠れた作戦かもしれないが、安くなってきたC-280VかC-290Vを狙うと言う手も場合によってはあるかもしれない、と考えたのだが実際はどうなのだろう?。でもそう言えば、何故か290Vが出た頃は、280Vは以外に値が下がらなかったっけ、、。今もそうなのかしら。まあ、そこがアキュフェーズ製品なんだけど。)

 ところで、お話戻ってC-2800への交換について。これについてはもう少し冷静になって考えるとしよう。再度C-290Vの聴きなおしでもして、、と言いつつ行動していたりして。さて、それは置いておいて、実はもう一つ実際に試聴出来たものがあるのでレポートしたい。それは左図のブツだ。

 そう、DENONのフラッグシップDVDプレーヤー、DVD-A1である。前から考えていたのだが、何故か導入が遅れているはこぶね用リファレンスDVD専用機の候補の1つとなっているA1だが、今回恵まれたことに、ある方のご紹介で実際に試聴出来ることになったのだ。そこで、こちらも多少感想を書いてみたいので日記ネタにすることにした。もちろん、プリ同様この機種も自分が実際購入するための参考なので気分は真剣ではある。

 さて、現在僕はDVD再生に、自作HTPCとオールマルチプレーヤーのパオニアDVP-S747を使い分けて楽しんでいる。もちろんS747は専用機としては、ハイCP機でなかなかしっかりしているが、現在HTPCと比べて一長一短な面がある。

 そこで現在の問題点をまとめてみることにする。

 まず、DVD再生は「HTPCか専用機か?」という問題は、現在の自分の考え方は、「両刀使いで行く」ことにしている。これは、HTPCには走査線が見えないフィルムのような繊細感、工夫することで色々便利な使い方が出来たり、パーツ交換やPC機器のドライバーまたはアプリケーション交換によって、安価で気軽にグレードアップ出来ると言う良さがある。また、環境(プロジェクターの仕様)により専用機にはない、ある意味「やめられなくなる画質の魅力」があるのも確か。

 しかし、使い易さや不具合のなさで言えば専用機は圧倒的に有利であるし、他の機器への機械的影響も少なく、また音の問題については、現在の僕の器量とシステムでは、専用機は絶対的に有利なものを持っている。HTPCは、ドライバーをアップデートすると、たまに不具合を起こしたり安定して動くまでに不憫を感じながら使わないといけないと言う難儀な部分もある。しかも、殆ど全てが英語圏のサポートになるので簡単に苦情を受け付けてもらえない。こんな状態では映画を楽しめない。

 そこで、今後安心して(?)HTPCを弄るにしても、HTPCに引けをとらない画質で、何より安定して使える、特に音にこだわった重量型専用機のリファレンスモデルが欲しいと思う。このために、しばらく第一線で使えるクラスの専用機を入手したいというのが今回の参考試聴の目的だ。

 さて、国産フラッグシップモデルの実力は如何に。(つづく) 

 

 

 

 

2002/11/07
C-2800試聴(その二)
 さて、肝心のC-2800の試聴だが、何故かこういう時に限って今週は家に帰れない仕事が入ったりするので難儀なものだ。このため試聴はトータルで3日間だったのが残念だが、それでも懲りずに出来る限り色々やってみた。

 まず、始めに現在のC-290V+AD-290Vを聴いた後、C-2800をC-290Vと交換する前に、フォノイコだけ抜き取って、まずはAD-2800を現用機のC-290Vに入れてみることにした。

 さて、この組み合わせの音だが、C-290V+AD290Vより多少繊細感が増して、切れが良くなる感じだった。が、それでも基本的なキャラクターとしては、C-290Vで聴くAD-290Vとはそれ程大きく変わらないように僕は感じた。写真(上が290V、下が2800)では見えにくいが、構造や基盤パターンはよく似ており、パーツが少し違うようだが、基本的には似ているのでこれが理由かもしれない。また、これはC-290Vの受け側の音作りの問題もあるだろう。

 C-280Vのイコライザーのようなアナログらしからぬ特異なキャラクターではなく、オーソドックスな切れ味でしなやかな音だった。一般的にはこれでもかなりハイスピードな音になると思うが、個人的にはまだ少しやさしい音の感じがした。AD-290Vの音が好きな人には、イコライザーだけを交換してもグレードアップが出来ると思う。この音は一般的には人気があったのかもしれない。AD-290Vの音のキャラクターをブラッシュアップしたような感じかな、、。しかし、僕の好みとはやはり違っていた。

 さて、こう言うイレギュラーは別にして、次は楽しみにしていた本命の交換試聴を行うために、C-2800+AD-2800の純正の組み合わせに戻して、現在のC-290Vと入れ替えてみた。基本的にC-290Vと接続端子等は同等の配列になっているので交換は簡単だった。ただ、C-2800にはEXT PLEと言う電源をOFFにした際にC-2800をパスする端子と、ゲインコントロールのスイッチがあって、12、18、24dbと切り替えが出来る。これが僕にはよく意味が分からなかったので標準の18dbで聴くことにした。これだとC-290Vの条件と同等になるし、ゲインを全て試す時間がないというのもあった。

 それから、C-2800はリモコンでセレクターとボリュームが操作出来るのが大変便利で、しかもリモコンボリュームの感度が良く、僅かに動かすような微調整が出来るのは流石アキュフェーズだと感心してしまった。ボリュームボタンを押していると、つい行き過ぎるなんてことがないのだ。

 さて、それはいいとして肝心のLINE系の音はどうか?。これがCDを一枚かけた途端にその音作りに驚いた。まるでまだガラスが張っていない窓のような透明度(当たり前だ?)と開放感、しかもシャープで繊細で突き抜けるようなスピード感を持っているのに歪感がまったくない。小音量から大音量にしてもその傾向がまったく揺るがない。音を全て分解してさらけ出すような音だった。

 また、重低音の輪郭は音程明確でハードでソリッドでダンピングが恐ろしく良く、瞬発力があってエネルギー感が実に素晴らしい。全然ダルなところがないのだ。テラークの「市民のためのファンファーレ」はぶん殴られるような豪快なグランカッサが凄い。クラフィンスピアノの低弦は力強く唸り、リリングのオルガンはペダルを踏んだ時?のパイプから放出される低音のぐいぐい押し出す反応の良さが実に素晴らしい。クラビコード、チェンバロの低弦はガッチリしていて特に力強い。ボリュームを上げると正に炸裂するような感じは、かなりゴリゴリしたハードで筋肉質な低音の印象だった。また、「カウボーイ・ジャンキース」の超低域はスピード感があって力強い。実はメインアンプをTA-N1に交換して、少しローブストになっていたせいもあって締まりがもう一つだったのが俄然引き締まった印象だ。

 しかも非常にハイスピードでエネルギッシュで猛烈に制動の利いた鋼のようなイメージの低音だった。嗚呼、、こりゃ聴かなければ良かった、、、と次の瞬間に思った位だった。我が現用システムとはマッチングがとても良かったのだ。

 それから、最近HMA-9500IIからTA-N1にメインアンプを交換してから感じていたのだが、何処となくクールで僅かなキツサが中高域にあったのだが、これはTA-N1のキャラクターだろうと思っていたのだが、これが見事に消えてしまい、TA-N1の素性を非常に良く出して極めてシャープで繊細な切れになったのだ。これなら9500IIに未練はなくなる。

 C-290Vになってから、いわゆるC-280Vから持っている「金っ気」と言われる僅かに金属的なキャラクターが消えたと思っていたが、これが完全に無くなっているように感じたのだ。つまり、まだC-290Vでもこのキャラクターがあったと感じるようになったわけだ。

 とにかく不思議な音作りで、C-290VそしてC-280Vとは音のカラーが随分違うのに驚いてしまったが、この音は一度聴くと忘れられない。

 ただ、気になることが一つある。個人的には音質とは別に、低音のレベルバランスが、C-290VでTA-N1とB-2302をバイアンプで鳴らした時の低音の量感の印象と少し違うことだ。低音のダンピングが良いのかもしれないが、なんとなく低音側のレベルが今までの量感より低く感じるのだ。このため、部屋、システム、SP、音量、によっては、多少低音が寂しくなると言う人もいるかもしれない。これはケースバイケースで評価は分かれると思う。

 この低音の聴こえ方の理由は、正直一週間位調べてみないと分からない。というのは、単純にキャラクターだけの問題ではないかもしれないからだ。C-290VにB-2302を繋いだ時もバランスとアンバランスでさえゲインが変わるのだ。数字の上では同じ筈だが、アンプ間の入出力インピーダンスの関係でこうなるのだ。これはコイルだけでハイカットするアナログ的なバイアンプなんて複雑なことをやっていると、たまに出くわすことがある。

 プリは純粋に接続はパラドライブしていても、この問題はプリとパワーの3台お互いの仕様によるのだ。経験がある人でないと、この意味は多分、分かってもらえないだろう、、、。一種の相性のようなものがあるのだ。(どの組み合わせでも起きると言うわけではない)

 このため、もしこのプリアンプの音を同条件で比較するためには、メインとサブのパワーアンプを同じものにする必要がある。こうしないと完全なアンプによる低音の音の判定は出来ないことになる。または、一台のパワーアンプとSPだけでテストするかだ。しかしD-55に繋ごうと思ったが時間がないので出来なかった、残念、、。やっていると返す期日が過ぎるのだ。それから、今回は自分のメインに組み込んだ場合のテストなので、その他はやっても自分には意味がないのでやめたというのもある。(皆様ごめんなさい。)

 現状では、比べるとC-290Vで聴くTA-N1+B-2302の方がローブーストでふっくらとして聴こえる。C-2800で聴くTA-N1+B-2302は芯のあるゴツイ低音だが、これはゲインのバランスが関係しているのかアンプの「音」のせいか僕にはここ3日間の時間では調べきれなかった。と言っても、実際にはこれが僕の現在のシステムにはばっちり合ってしまったので気持ちは複雑だ。

 つまり、何故かC-2800を使うと我がシステムは、ドンピシャリのレベルバランスになってとても具合がいいのだ。また、TA-N1のシャープな切れとサンスイの2302が持つ岩のようなゴツイ低音の良さを上手く出している。だったらそれで良いじゃないか!と思うが、これって、、、買えって言うことかしら?。

 とにかく音はC-290Vとは全てにおいて違うと言うのは確かだ。まったく別の系列のアンプになったような気もする、、がこのシャープな切れとゴリゴリした筋肉質な低音は非常に魅力的だ!。これを聴くとC-290Vは穏やかで音が多少引っ込むと言うか、霞が多少あるようにさえ思えてくる位だった。

 それから次に、僕の試聴の再に必ず使うお決まりのソフト「あはれ」の声は、ぞっとするような解像度と余韻の分解能が凄い。またしてもこのC-2800の音に魅了されて「あはれ」!?となりそうになった、、。また、弦楽器、特にギターや琴の指が弦にこすれる時の音も実にしっかりと明確に再現されて驚く程だった。更にドリアンの「ララバイジャーニー」は、C-290Vで聴くよりC-2800の方がフルートと声の分離がハッキリしてくる。

 プリを変えただけでこれだけ違ってくるものなのか、、。個人的には、パワーアンプまたはCD-Pを交換した程の音の変化があると感じた。嘘じゃないのだ。オーディオ恐るべし、アキュフェーズ恐るべし、、。

 ただ、声の「厚み」に関しては、C-290Vの方が、ある意味現実的な鼻にかかる感じがあって実在感があるという人もいるかもしれない。それから、C-290Vの低音の深々とした超低域方向の伸びは捨てがたい気もする。ここは難しいところだ。また、国産究極のアナログアンプにして、良い意味でのデジタルアンプのような精鋭感を持っているというか、なんとなくデジタルらしさのような部分はある。それ位クッキリハッキリしているのだ。でも、一度聴くと戻れなくなるような気がするのも確かだ。

 さて、今度はC-2800+AD-2800でアナログを聴いてみた。これはとても繊細な切れで透明度が高く、AD-290Vよりも多少音が明るい。しかし、それでもやはりAD-290Vの延長線上にある音に僕は聴こえる。H-Z1を通してみたが、これは上手く行かなかった。妙に埃っぽい感じになるのでない方がいい。そこで現用機の2000ZR+C-17をLINE INに繋いでみた。これはやはりC-290Vで同条件で聴くより、切れが良くCDを聴いた時の上記の印象のようにかなり良い。

 うーん、、こうなるともうイコライザーは内蔵型にこだわるのは止めて、今後別に何か決定版を探す方向で行くしかない。これにこだわってC-2800に興味を感じたので今回の試聴となったのだが、結果的にはLINEの音が素晴らしいのでこれを生かす方向で行くかな。ただ、これは今の実情(C-290V)と同じと言えば同じなんだがなあ、、。でも、このLINEの音を聴くと元に戻れん。「LINE専用アンプでも良い」と踏ん切らせるものがあるのだ。

 さあどうするか!?うーむ、、、悩む、悩む、悩む、、、。  

 

 

 

 

2002/11/01
C-2800試聴(その一)
 そう、我愛器C-290Vの前に写っているのは、表題の通りアキュフェーズの新型プリアンプ、「C-2800」である。

 (おいっ、なんでなんだよ!と言わないようにお願いします。説明しますので、m(__)m)

 もちろん、買ったわけではない。それは、幸運にもこの度、オーディオを本格的に始めてから十数年以上お付き合いのある、知人N氏のご好意により、お貸し頂いたのである。(Nさん、このような機会をお与え頂きまして有難う御座います、深くお礼申し上げます。)

 さて、もちろんまだ恐る恐る箱から出したばかりなので聴いていない。オーディオの音は、僕の貧弱な文章では上手く伝えられないので、自分で聴いて今後の購入の参考にしようと思ったが、それではやはり勿体無いので、今回はWEBをご覧の方へ日頃のご愛顧に少しでもネタになればと思い、参考にはならないとは思うのだけれど、日記に自分なりのレポートを少しだけ書いてみようと言う気になった。

 しかし、既にAE86さんの掲示板や、くずてつ船長のWEBサイトにて、「アナログの帝王」のM-85さんのレポートが詳しく公開されて居られるので、僕の文章はあてにならないので軽く読んで頂くとして、今回は感想程度でお茶を濁すことにしよう、、。

 ただし、もちろん冷やかしではなくて、個人的には購入の参考にするつもりの試聴なので、気持ちは素人なりに真剣ではある。

 さて、まず自分が使用している現状のC-290Vの問題点からまとめてみる。僕が初めて買った高級機プリアンプはC-280Vだった。これはAD、CDともにギョッとするような実在感と切れ味、艶、馬力、広大な音場感の再現性を持った大変優れたアンプだった。僕にセパレートアンプの世界を初めて教えてくれたアンプでもあった。しかし、その後長岡先生の方舟で、後継機種であるC-290Vを聴かせて頂いたら、これがC-280V以上の驚くほどの透明度に参って、何を血迷ったか、なんとC-290Vに交換してしまった。実はこれは今でも本心は多少後悔している。

 原因は、その時LINEの音しか聴かなかったからだ。C-290VのLINEの音は、C-280Vを更に上回る程の分解能だった。ところが、何故かADがC-280VともC-290VのLINEとも、随分音作りが違ったのだった。非常にまろやかな音で僕の好みとは逆方向だった。これは購入してから気が付いたのでどうしようもなかった。つまり、C-290Vの問題は、ADの音が自分の好みに合わないということなのだ。LINEについては現状では大いに満足している。もちろん上には上があるのがこの世界なんだが、、、。

 それからもう一つ、アキュフェーズと言うメーカーは、機器をオーバーホールに出すと、その時点でほぼ初期特性に戻してくれるのだ。しかも、場合によっては新機種の部品に交換してくれたりするので、音は明らかに向上するのだ。このメーカーは「修理」と言う表現があまり当てはまらないことがある。「ブラッシュアップ」または「バージョンアップ」に近いものがあるのだ。だから新型が出たとしても焦る必要がないのだ。

 僕は以前使用していたC-280Vを、C-290Vが発売になった頃にオーバーホールしたら、C-290Vに使うボリュームに交換してくれて、初期のC-280Vより音が良くなった経験がある。そう言う訳で、C-280VとC-290Vとの差は、ある意味で僅かなキャラクターの違い、と表現してもいいかもしれない。優劣ではないのだ。ここがアキュフェーズの信頼性が高いと言われる所以だと言う人もいる。

 さて、それでも今回は新開発の技術が導入されているようなので、ひょっとするとまた血迷ったりして、、(あるあるっ)。一から買うにはとてもじゃないが、アキュフェーズのアップグレードキャンペーンなんかやっているお店もあるので、世間は誘惑の嵐だ!?(つづく)

 

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