2013年
8月度
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2013/08/17 陽気すぎるヨーロッパ? |
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さて、この時期はどーも駄目である、。時間が無さすぎる。 忙しい上に少し歳を取ると、色々と物事が面倒になることもある。 僕も中高年と言われる世代に入っているのだ。光陰矢のごとし。ま、仕方ない。 で、今日はその中高年向けの(失礼)お題。というか、何だか全然盛り上がっていないようなので、こうなると何か書かねばならないだろう。そう、「新 長岡鉄男の外盤A級セレクション@」(復刊)である。 何だか文句タラタラだが、やはり買うだけは買うのだな。(苦笑) まあ、イチャモンのひとつでも付ければ、多少議題提示になって良いかな、なんて思うが、僕がほざいた所で何も意味は無いか、。 でも、いざ買ってみたら、言いたいことは山ほどあった。それは良くも悪くも全部含めてだ。 まず、入手には手間取った。1ヶ月以上も前にHMVで予約していたのに、発売には入手出来なくて、入荷未定、なんて知らせが来た。そんなにヒットしたのか!?と思ったが、そうじゃない。これはHMVの流通上の問題のようで、有るところには普通に有る、という状態だった。 個人的に、HMVでの予約はこれで過去三回共失敗している。しかも、過去二回は結局入手出来ない羽目になって頭に来た経験がある。ここで今後予約するのは絶対に避けることにする。 で、それはいいとして、今回は仕方なく楽天で購入。早速SACD開封&内容を確認してみる。 文面内容とスペアナ写真は当時のそのままだが、レイアウトとカラージャケットと白黒ジャケット印刷は差し替えてあって、これは巻頭がカラフルでなかなか良い。標本図鑑のうような楽しみがあるからだ。カラーだと印象が随分違う。但し、当時長岡先生が保有しておられた盤とは違う可能性もあるから、そこはそれ。 レコードはいい加減なんです。そして世の中は広いんです。(笑) それから、現在では音源が入手出来ないことの注釈や、炭山氏のSACDの解説が入っていて、初めて読む人にも分かりやすく、また、何となくその頃のことがイメージ出来るようになっているのは良心的だと思った。 肝心の付録サンプルのSACDだが、これは録音が入り乱れているようで、ちょっと気になる点がある。(サンプルだから当たり前?) まず、このSACD化の収録手順が書かれていない。つまり、アナログマスターからSACDにしたのか、PCMにしてからSACDに変換したのか、どういうプロセスを経由してこの収録になっているか、この辺がまったく解説が無いのでよく分からない。これは非常に残念だと感じた。 現在はPCが当たり前の時代だから、個人でもDTMが可能。そうなると、PCMなら音を弄ることなんて容易い。 だからそれを考慮に入れないと、純粋にサンプルの音だけでは、どのデンタル音源を買えば良いか分からない。確かにDSD変換は出来るが、DSDの編集は難しいとは聞く。でも、これだけ音がLPと違うものや、かなり近いものがあると、どうやったのか知りたくなる部分があるわけだ。 例えば、アラブ・アンダルシアの音楽、これは期待して無かったが、予想外にかなり良い。高域はフィルターでロールオフしたように超高域部分のノイズだけを上手くカットしてあるが、音そのものはLPにかなり近いので驚いた。SACD・CD音源としてはとても良い感じだ。水の音もかなりよく再現されている。でも、これがSACDだからなのか、元のPCM化でも同じなのかは分からない。(古いCDは持ってないので。) 僕はこのLPを3枚(幾つか種類がある)と、最近CD化されたオーストリア盤の廉価CDを持っているが、このCDはオリジナルLP群とはかなり音が違う。イマイチなのだ、。でも、このサンプラーの音は良いのである。 しかし、逆に問題は収録されているASTREEの音だ。これは手持ちのASTREEのLP音源とはまったく違う音がする。ASTREEの音はこんな音はしない。文面にあるように、ASTREEの音源はLP盤の種類にもよるが、それでも、もっとこってりして脂っ濃くて、独特のサウンドが魅力のはず。カートリッジを交換してもこのキャラクターは確実に出るからアナログ環境の問題とは言いにくい。 こうなると、サンプラーの音は意図的にまるで違う音にリマスターした(?)としか思えないのだ。違う、ASTREEの音はこんな音じゃない・・・。これは魅力半減でどうにも勿体ないなあ、。E規番で始まるASTREEの以前のCDは持っているが、これはLPに近い音がする。しかし、今回のサンプラーの音は大いに不満。当時の音色の持ち味を今の時代に伝えるには、ちょっと不十分な気がするが如何だろうか。 それから、この本が出ると当然LPも多少活性化する可能性もある。となると、色々デメリットも出てくる。個人的に一番嫌なこと、それは「原盤崇拝主義」や「高値高揚による良からぬ輩の出没」、などだ。言い伝えのような迷信、盲信、これが出てくる。まやかしというか、。 こんなの絶対イヤ!である。 だから復刊に懐疑的だったのだ。LPは非常に不安定なもので、だからこそCDの時代になったわけだし、デジタルの良さも絶対にあるのだ。LPは当時のプレス国、発売時期、スタンパーの状態、その後の使用状態、個体差、等々で色々あるから一概には言えない。バラツキが大きい。 外番A級は、あくまでもLPが全盛期を終える時の話だから、そこを間違えると、結局変な方向に行く。、。 で、今日はその中でも高値で入手難とされているLPのことを敢えて書く。しかも、憶測も交えて、ある意味でそのような連中を撹乱させるためにも。(笑) (注:これは自己否定と自己戒めなので、内容も保証しませんし、当然クレームは一切受けつけませんので悪しからず。)
まず、写真は第一集の4番目に紹介されている「陽気なヨーロッパ 12〜17世紀」(L'Europe Joyeuse STU 71098)だ。 僕の手持ちは中古だけど、なんだかんだ言いつつも何枚かある。(アホである) まず、Bが師も手元に無い、と書かれていたスペインオリジナルのヒ(イ)スパボックス盤。Cはメロディア盤の廉価版らしい、がよく知らない。メロディア盤も種類が沢山あるらしく、それぞれに音が違うらしい。ただ、BとCはLRのチャンネルは同じに収録されている。 しかし、@Aの紹介盤はこれが僕の手持ちは逆になっている。Dは@の廉価版、と言うか後発盤、再プレス、らしいが詳しく知らない。結局このアルバムは人気があったのだな。(CD化もされているらしいが詳細は不明。) で、ここまでは既に情報が出ているから僕が今更書くことも無い。 問題は、何故紹介盤が@とAとなっているか?ということだ。エラートはマイナーとは言いにくいレーベルなので、当然色々有るってこと。紹介番号26のスターバトマーテルなどと同じく、沢山の種類があるのと同じ。 さて、手持ちにある@群は所謂、フランスオリジナル盤、と言う人がいる。が、Aはジャケットデザインは@と同じだが、印刷の紙の仕上げが違う。@はビニールが厚くてしっかりしている。 Aは少しつや消しのような仕上げで、そのため色は濃く感じる。また、中の盤も@とAは少し違う。@の方が重くてしっかりしているが、Aはよく見かけるエラートの普通の盤で@よりやや薄い。よく出回っているフランスハルモニアムンディ盤のような感じかな。 当然@は貴重品、と言うことで探している人、それを猛烈に高く売る人、でバランスしている。(苦笑) 皮肉なことに、手持ちの@はどれも極上の状態。中には殆ど聴いてない新品みたいなのが1枚ある。 が、この@群とAは音がまったく違うのだ。 @は中高域上がりで切れ味は鮮烈強烈無比だが、やや低音不足で、歪み感は無いが個人的にはハイがきつすぎる、。これはスペアナにも出ている。音域バランスも、他のパニアグアのアルバム群(ラ・スパーニャや古代ギリシャの音楽など)とはかなり印象が違う。 ちょっと「陽気すぎるヨーロッパ」と言った感じか。 Aは個人的には手持ちの中では最もバランスが取れており、原盤とはLRが逆だが、音もキレが良いのに大音量でも当然歪まないし、@並にSN比も良く大好きなのだ。個人的にはオーディオとしてはこれがベスト。 BはSN比イマイチで、音はエラートに比べるとやや大味で普通。原盤最高とはいかないから面白い。Cは残念ながら音はかなり落ちる。 廉価版を好むのはオイラの性分だし、タコ耳の証拠、と言われる。 しかし、スペアナを見ると@とAはこれ位違うので、こうなると別のマスターのような音になるのは理解出来ると思う。微差どころではなく、多分、誰でも分かる位音が違う。 で、ここで復刊本のスペアナと見較べて欲しい。僕は師の手持ち盤がどれであったかは知らない。@かもしれないがAかもしれないし、まったく違う盤かもしれない。LPはそんなものだろう。(師は原盤とかオリジナルとか、そういうことに拘って居られなかったように記憶している。) でも、今回はスペアナにRECアウトからLチャンネルのみをA面を通して収録測定してみた。 これが何を意味しているか?というのは、写真と見比べれば分かるはず。 僕は当時の真実を知らない。しかし、検証結果はある予測を生む。 「師の盤は実は@ではなかった」という僕の予測だ。まるでスペアナの形が違うからだ。しかし、Aとはよく似ている。(Aゲイン調整後は紙面と近いレベルに落とした状態での撮影。) 当時の師のシステムは晩年のものとは違うはず。多分、アームはEPA-100オリジナル、アンプはデンオンで針もMC-L10かも知れない。だから多少スペアナの波形も変わる。しかし、スペアナは僕の手持ちとブラウン管の色は違うが、内容は同じ仕様のもの。(20Hz〜25Khz 特注) 師はスペアナでLチャンネルを取ることが多かった記憶がある。(結構いい加減)それから、LP時代だから両面は取ってないのではないか。ピークホールドの後にレベルホールドして、また解除しないといけないので面倒だからだ。 どうだろうか?原盤・オリジナル崇拝主義、師は当然音質を言うからオリジナルを聴いていた、ってホントかな?と僕は思う。(笑) ハッキリ言う、Aが音は最も良い、微差次点でDと言ったところ。 「さあ、原盤だからねえ〜長岡鉄男ですよ〜」と言って途方もない金額で売るヤツについて行かないことだ。(大笑) また、皆さんの盤は果たしてどれでしょうか?(苦笑) 勿論、@仕様のA、といったモノもあり得るから何とも言えないけど。(エラート盤ですから) 兎に角、LPはいい加減なもの。だから、本質を聴く、ということを忘れないようにしたい。 盤ではなく、録音、そして最終的な音です。 でも、手持ちに何でそんなに同じモノがあるの?といわれるかもしれない。それは「物々交換していた時代の癖」なのだ。自分の手持ちに無いものと交換する、という習わしと言うか、誰か交換しませんか?という感じか。 でも、もうそれが出来ない時代になったのだなあ・・・。あっ、配信なら別か。(不特定共有は違法) ま、時代が変わっている、ということを言いたいわけなんだが、。だからリマスターの勘所が気になるわけだ。つまり、最終的な音質の出来上がりというか、そのセンスである。 これを上手く後世に伝えたいものだと思うのだが。 注:レーベルの写真は敢えて載せていません。 |
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