2012年
11月度
※注: 掲示板へのスパム対策のため、書き込むためのパスワードをかけています。パスは僕の現在のネッシーの使用ユニット「○○○○○○○○」(ハイフンなし)を半角としました(笑)。駄目ならまた変えます。
2012/11/30 オルガンコンサートに行こう! |
|
![]() |
さて、先月から色々あって更新出来なかった。本当はBR-12のレポートがまだなのだが、ちょっと予定を変更する。と言うのも、やはり音は好み、そして、試聴環境が大きく影響するので、これはしばらく様子を見ないと分からないというのがあるからだ。まあ、現状ではオイラの好みには合わなかったということなんだが、。 で、今日の本題は、 そう、オルガンコンサートに行ってきたのである。コンサートに行くのは本当に久しぶりである。こんなことでは、オーディオマニア失格かもしれないが、やはりチャンスと時間がないから仕方ないのだ。 でも、今回はちょっとムリをしてでも行きたかったので行動を起こした。 先日、市内で家庭向けに配っている「くらしき」という広報誌が我が家にも来ていた。これは毎月発行されて、ポストに入っている。正直、ローカルなタウン情報だが、娯楽関係は殆ど無い真面目な広報である。当然だが市がやっているのだから当たり前だ。 このため、なかなか目を通さないことが多い。(失礼)しかし、この日は何故か開いてみたのである。すると、、 何と、市内でオルガンのコンサートがあるというではないか!? 我が市内にオルガンなんてあったっけ?と思ったが、ちゃんとあるのでびっくり。 しかも、これは車で30分程度の所、おまけにプロのアーティスト、更に、驚いたことに、全部タダで聴けると言うのだから驚いた・・・。あり得ない、とさえ思った位である。 もしかして、出会い系のサクラ宣伝か?と思うほど都合が良すぎるような内容で何度も読み返した位だった。(笑) でも、これが本当の話だから我が市も凄いもんだ。(ヨイショ) 調べてみると、奏者はオーストリアの著名なオルガニスト&ピアニストの(ROBERT LEHRBAUMER)ロベルト・レーバウマー氏。ご本人のサイトもあって、LPとCDも発売されている。 場所は市内の「くらしき作陽大学」の聖徳殿(しょうとくでん)という、6角形のカテドラルのような小ホール。 オルガンはドイツのベッケラート社(Rudolf von Beckerath Orgelbau GmbH)のものらしく、ストップ数22、パイプ数1,532本、だそうな。 僕はオルガンには詳しくない。が、オーディオ系で有名な海外の大オルガンとは違うが、それでも市内で教会の小オルガンを聴くのとはワケが違うことは確かだ。 それは音を聴いて分かった。 曲はオルガン4曲、ピアノ5曲の(アンコール含む)サービス抜群のレパートリーで、これまたウソのような本当の話なのだ。 トップはお馴染み、バッハのトッカータとフーガ ニ短調 BW565であった。 ということは、そう!結構な重低音が出るのである。 まず、今回は席は自由、早い者勝ち、ということだったので、開場までに行って、前から8列目の左側に座った。 ここでオーディオマニアの当てはずれな読みが炸裂しているわけだ。オルガンだから、少し離れて楽器のセンターを選んで、更に壁に近い方が重低音が楽しめる、と踏んだわけだ。、 開演までに時間があったので、客席を見渡すと、かなり空きがある。やはり市の広報を読んでいないんだな、とほくそ笑んでいたが、これが大間違い。 いざ開演してみると、450席は2階まであるが、1階はほぼ満員で、開いているのは2階の両横僅かだけになった。 みんな、よく知っているなあ・・(笑) が、1曲目が始まって、しまった!と思った。。これだけ人が入ると、音が僅かに小さいのである。勿論、普通の音量だが、オーディオをイメージしていたので、ちょっと半分後悔した。 前から3列目のセンター辺りが良いのではないか?と思うが、後の祭り。 こういうことはコンサートに行き慣れたマニアでないと駄目である。(笑)そう、僕は経験不足だということだ。 ただ、これは奏者も感じていたのか、段々音量が上がってきて、ラストのフランツ・シュミットは重低音が響き渡った。かなりのエネルギーであり、確かにもう少し前に座るのが良いのだろうが、それでも多分、リハーサルは人がいないので、それで音量を決めていたのではないか?と勘ぐってしまう。 しかし、音は本当に素晴らしい。やはり生のオルガンは凄い。高域は綺麗にオフで拡散する。よくあるオルガンの録音は、やはり指向性マイクで録って低音は重ねてある場合が多いのがよく分かる。 ただ、人が多いのと、ホールがややデッド(調音してある)なので残響は出ない。でも、重低音はハイスピードで芯がある。これぞ生の低音だ。超低域がふわふわ来るなんていうのは、オーディオの音であって、生はちょっと違う。どう表現したらいいのか。非常に音が早いのである。 だから、超低域は耳に音として感じない、でも、重低音は持続音なのに音程明確で極めてハードでもたつかない。これは良い音だ! 正直、オーディオに大変参考になるのである。ある意味で、SY-99さんの生録の低音表現に似ている。これは体験しないと分からない。これ見よがしに出るロースピード低音ではないのである。だから上記のように聴こえるのだ。凄くパワーがあるのに早い、。これには恐れ入る。 また、更に良いと感じたのが、オルガンとピアノを交互に弾いてくれるのだ。これが大変に素晴らしい。 頭で考えると、楽器にかなり音量差があって、ピアノは物足りなく感じるのではないか?と思うのだが、これが全然違うので驚く。 低弦まで全て使い切って、ピアノの蓋は開いているので、重低音がちゃんと僕の席まで響き渡る。しかも、音程がちゃんと出るので、物凄く良い音だ。リスト・B-A-C-Hによる幻想曲とフーガが個人的には一番良かった。オルガンに負けない程だ。むしろオーディのライブ録音だと、もっと低域は混ざったぼやけた感じになるのが通例だろう。ライブだから、、というのは言い訳に思えてくる。 これぐらい離れていても、ピアノの音量とその瞬発力は凄い。これは演奏のせいもあるのではないか?やはりベテランの奏者は、コンサートの音をよく分かっているのだろうなあ。 このレパートリーは、ある意味でオーディオを聴いてるような手軽な楽しさを味わえた。だって、普通は生演奏でオルガンがやっと聴けても、直ぐにピアノまでは弾いてくれないからだ。しかも、両者並び立つから驚きだ・・・ また、ロベルト・レーバウマー氏は、曲間に解説をしてくれて、それを通訳が訳すのだが、非常にユーモアがあって楽しい。かなりベテランのはずだが、外見は高身長のかっこいい伯父さん、という感じで、何より体と指の動きが滑らかで圧倒される。氏の演奏は、素人の僕が聴いてもテンポが速くて勿体ぶった感じがない、ダイナミックでストレートな印象。間合いと言うか、呼吸合わせがとてもリズミカル。 正にブラボー!の一言だ。 こんな機会は滅多にない。素晴らしいコンサートにこの日僕はご満悦だった。 演奏、曲、音、レパートリーの広さ、と4拍子揃った、最高のコンサートであった。 これを聴いたら、俄然オーディオをやる気になった。この音を再現したいわけだ。 是非またこれは聴きたいものである。と、言ってもこのホールは普段は入れないのだが、。(学内なので) それにしても、素晴らしい秋の夜だったなあ。 |
![]() |
|
![]() |
|
![]() |