2011年

1月度

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2011/1/30
AC-5試聴記(その1)

 遅くなったが、実は5年ぶりにインフルでダウンしたのだ。油断大敵である。

 さて、早速アキュフェーズの新型MCカートリッジ「AC-5」の試聴記に入る。

 が、その前に説明をしておく。まず、去年あることから、現用のビクターMC-L1000の今後に非常に不安を感じ始めたのが発端。当然だけれど、我が家のリファレンスとして、MC-L1000は既に4回針交換して15年以上経過している。現在は四代目と言うことになるが、もう針交換出来ないのでそのまま10年は経っているはず。

 それ位ずっとコレ一本でやって来た。他にも幾つか針はあるが、基本的にMC-L1000以外は時々しか使っていない。と言うより、コレが我が家のシステムの標準なので、他は考えられない。

 音も構造も、現在では「唯一無二」と言われる程に特徴のある伝説の針、いや、生ける屍(笑)の針か、な。

 が、流石に古い針なので、幾ら何でも寿命が来てもおかしくない。何時壊れてもおかしくない。でも、困ったことに、これに代わる針がないのである。

 オークションに時々出ているが、高価であるし、基本的に状態の信頼性が低い。少なくとも新品なんか手に入らない。

 「良い針は沢山あるよ!今でこそ昔では考えられない程技術は進化しているのを知らないからだよ!」とある人は言う。

 本当にそうかな??

 そこで、去年は幾つか近年の最新カートリッジを試聴する機会に恵まれた。僕は基本的に自分で自宅試聴していないものは信じないタチなので、必ず自分で聴いたモノだけを選定基準にする。このため、未試聴のモノで良い針があっても分からないのは仕方ない。

 まず、聴いた針は、フェーズテックのP-1G、P-3G、P-3、オルトフォン09B、ZYX(AIRYボディカバーなし)、ライラヘリコン、MCローマン(旧型だが銘機)、テクニカAT-OC9III、マイソニックのウルトラエミネント、ハイパーエミネント、エミネントGL、などなど。

 基本的にアナログ全盛期の頃の作品ではなくて、近年のデジタル時代に敢えて開発された趣味を前提にした新型で、MC-L1000とは時代が違うものばかりである。

 それぞれ基本はメーカー純正のシェル、またはある程度好みのものを選定した状態での試聴である。

 が、ハッキリ言わせて貰うと、この中でMC-L1000をキッパリ捨てて次に行きたい、と思ったものは、実は無いのである。

 そう言うと先輩方には怒られるが、論より証拠、と言うか、まず、SN比だけで言うと、MC-L1000がトップなのであるからおかしな話だ。

 これは現在のシステムに組み込んで聴くと、ハッキリと分かる。低域のゴロゴロ言うノイズは圧倒的にMC-L1000が少ない。

 ではそれはハイ上がりなんではないか?と言われるのだが、そんなことはない。ちゃんとF特を取ると分かるが、MC-L1000も最新針もフラットなのだ。でも、低域のノイズは明らかにMC-L1000が少ないのだ。

 ちゃんと出来ているんです、MC-L1000。(これは強調しておきたい。)全盛期の頂点製品をなめてはいけないのである。ある意味でCD移行時に、それに対抗する意気込みで作られただけあって、懐古趣味の最近のアナログブーム製品とは一線を画すということを忘れてはいけない。

 但し、これは試聴環境に依存するのも事実。20Hzまで中域と同レベルで再生出来る環境でないと、この意味は分からないかもしれない。

 

 さて、最近の針群での音の不満は、僕には今一つ音が暗く感じることだった。

 勿論、OC9IIIや09Bは比較的明るいが、それでもMC-L1000と比べるとやはり「オーソドックス」なサウンドに感じるのが正直なところ。、もっと明るい方が良いのだ。(過去には他にあったが)

 まあ、MC-L1000はキャラクターとしては癖があるのだろうが、音として聴く場合には僕には丁度良いのである。キレ上がって散乱するあの感じはやはり唯一無二。コレに慣れたら後が無い、ま、そんな感じかな。。

 では、ビクターMC-L1000を開発した陣営が作ったと言われるフェーズテック群はどうか?というと、これはMC-L1000とはちょっと方向性が違うような気がした。というか、設計陣は本当はこちらのような音が作りたかったのか?もしかすると、MC-L1000は失敗作、または仕方なく作った音の方向なのか、、と思わせるものがある。

 つまり、大らかで体格の大きい車のようなイメージで、揺るぎない芯があるが、小回りは効かない、という印象。質は高いが、鮮烈ダイナミック、ハードな戦闘機(MC-L1000)のようなイメージとは方向が違うと感じた。

 で、その中で唯一、試聴機のエミネントGLは面白い音がした。これは端正な音で、奇をてらった華々しさは無い。が、妙に細かい音が正確に出て、歪み感が異様に少ない。また、エコーの分解能はMC-L1000を凌いでいて驚いた。それでいて独特の中域のコクと、恐ろしく強力な中低域から低域方向の力と、不思議な位早い「立ち下がり」が印象的だった。どんなソースでも破綻しない音作りの旨さと、それでいて眠くないから不思議だった。では、ウルトラエミネントとハイパーエミネントはどうか?と言うと、こちらはちょっと僕には音が大人しいのである。グレードは上だが、音は簡単ではない。

 なので、敢えて選ぶなら、MC-L1000とは違うが、この方向もありかな、と感じたので、大いに迷ったが意を決して導入を決めたのが、去年の年末だった。

 が、この針は非常にバラツキが大きいのを知ったのはその後だった。。もう「違う機種」ではないか?と言う位音が違うのである。全部で4個体聴いたが、全部違う。

 オーディオマニアなら絶対聴き分け出来るレベルだ。

 どうやら、このバラツキはこの針特有の特殊な磁気特性をもったコア材のコイル仕上げの難しさによるものらしいが、アナログの難しさをも改めて感じたのだ、。

 現在手元にあるものは、かなり張り出しサウンドなので好みではある。だが、それでも試聴機とはまた違う。個人的には試聴機の方にも惹かれるが、同じではないので仕方ない。

 そこへ来て今回のAC-5である。

 正直、実はあんまり期待していなかった。

 まず、本体の中身はZYXの外注品だと気がついていた。先に聴いたZYXの音はとても軽やかで確かに明るい良い音だった。上から下までワイドでフラット、音速の分離感がなく音が揃っている。これは好みの方向だ。が、、敢えて言うなら「極めつけの特徴」のようなものが薄いというか、エミネントGLのような強烈な個性はなかったので、逆に選択肢からは外れていた。

 何となくだが、昔のヤマハサウンド、またはK2初期のビクターのCD-Pに似ている感じがしないでもない。(個人的なイメージ)

 なので、その母体イメージがあったので、AC-5の音への期待がちょっとだけ不安。

 それから、一昨年前に導入した我が家のC-27が、どちらかと言えば、PRA-2000ZRやAD-290やC-280Vに比べると、やや優しい傾向なので、針も最近の風潮で行けば、穏やか系ではないか?と勝手に予想していたのだ。最近多いのである、ゆったり系サウンドが、。

 では、実際のAC-5の音はどうか?・・・

 まず、本体は11,5gもある脅威の重量級カートリッジに驚く。そのためかシェルにZYXの超軽量級のハイエンドシェルが付いていた。但し、これでも合計で25gはあるので全体では決して軽いとは言えない。

 個人的にはPH-L1000で聴いてみたいところだが(実はこれも実験した)、ひとまず、この状態をメーカー標準と尊重して聴いてみることにする。

 ソースは基本的に写真のように馴染みの外盤A級セレクション、または外盤ジャーナルのものから適当に選んで聴くことにした。実際には40枚位聴いてみた。(笑)

 「だ・か・ら!、この手のソースは止めなさい!」という人も多いが、個人的にはこれらが満足に鳴らない、または不満が出るような針は、僕にはまったく必要ない、MC-L1000の後釜には使えない、用無し、ということで、敢えてこれらオンリーでいく。(ケンカを売っているわけではない。)

 まず、針圧計は古いが電子針圧計はコレしかないのでウインズを使用する。条件を揃えたいので、初めはリード線だけを、テクニカのPCOCCに交換しておく。これは現用の全ての針に統一出来るので、敢えてこうするのだ。リード線はもの凄くの音を変える要素の一つなので、ここだけはテスト時は同じにするのが僕のやり方なのである。(つづく)

 

 

2011/1/15
新年開けすぎて・・
 さて、かなり遅くなってしましたが、皆様、新年開けすぎまして、おめでとうございます。m(__)m

 って、毎年おめでたいオイラである。

 今頃何を言っているのか?と言われそうだが、いえいえ、オイラにとっては、先頃やっと正月休みがほんの3日だけ取れたので、これでいいのだ。

 普段まず続けて休まない生活を長年していると、さあ、何をするかな?と、完全に大ボケを起こす。。

 でも、こういうときは、普段出来ないことをやるのだ。

 と、言っても旅行なんか行くわけないので(と言うより実は途中で仕事に呼び出された)、ささやかに家で「音」でも聴く。音楽ではない。(笑)また、映画は時間がないので?今回は中止。

 で、まず、説明が必要。

 昨年は年の暮れに色々あった。ある機材を導入したのでレポートしようと思えば、妙な初期不良に出くわしたり、家ではちょっとある事故があったり、SP10MKIIIが壊れたり、年の瀬押し迫って空調が壊れて凍死しそうになったり、その後年明けまで待って修理依頼したらこれが直らなくて、その後何と2台目のエアコンまで壊れて、心身共にもうボロボロだった。。。

 一つ一つ説明していくと、それだけで1月は思い出日記になるかもしれない。

 なので、順番を無視して、単刀直入に行くと、写真のブツを試聴して過ごした。

 そう、アキュフェーズの新型MCカートリッジ「AC-5」である。

 あ、これは実は先日導入した方ではない。(笑)

 先日導入のブツは、もう一つの別の方だった。この辺りがオイラのマヌケなところと言うか、せっかちなところなのである。。(焦ると物事は上手く行かない?)

 ま、それはいいとして、ひとまず、新年にふさわしい機材なので、独断と偏見のレポートをしてみよう。(つづく)

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